Urbana–Champaign (アーバナ・シャンペーン)

カンザスシティで一日過ごした後、次の目的地であるイリノイ大学に向かいます。カンザス州は人口が減少傾向にあり、その分、町も少なく、従ってガソリンスタンドも少なくなります。こういう地域をドライブするには、地図で次のガソリンスタンドまでの距離と自分の車の燃費を計算しておかないと、途中でガス欠になると一大事になります。今のようにナビがない時代ですから、地図にはガソリンスタンドの位置が書いてあり、道路標識にも「Next Gas 60miles」のような表示が出ます。つまり次のGSまで100kmくらいあるので、少なくなっているなら、ここで給油しなさい、という指示です。こういう地域では、その次はさらに100kmですから、満タンにしておかないといけないわけです。地図を見て予め給油ポイントを決める必要があり、食事時間も考えておく必要があります。アメリカでも高速道路はその心配はないのですが、ローカルハイウエイを走る場合は要注意事項の一つです。
イリノイ大学はいくつかキャンパスがありますが、シャンぺーン市とアーバナ市に大きなものがあり、隣接地域なのでアーバナ・シャンペーンと呼ばれています。アメリカにはよくあるツインシティです。イリノイ大学の言語学部には日本からの留学生も多く、私の先輩にもここで学位を取った方が多くいます。そしてアメリカでは有数のJapan Centerがあり、日本語教育も盛んです。
イリノイ大学はアメリカでも有数の名門校で、特に工学・自然科学分野における研究実績は国際的にも評価が高く、これまでに送り出したノーベル賞受賞者の数は24人(2014年時点)だそうです。学内には米国立スーパーコンピュータ応用研究所 (NCSA) があり、マーク・アンドリーセンが、画像レンダリングの可能なHTMLブラウザとしては世界初であるMosaicを、他のメンバーとともに作り上げた機関です。ちなみに、映画「2001年宇宙の旅」中に登場する宇宙船に搭載された人工知能コンピュータHAL 9000を開発したHAL研究所は、アーバナ市にあるという設定だそうです。日本の慶應義塾大学や東京大学などとも提携しています。シカゴやスプリングフィールドにもキャンパスがあり、この地域の総合大学としての規模と機能をもっています。
イリノイ大学では、言語学者の牧野成一先生にお会いする約束になっていました。牧野先生は私の先輩方との親交もあり、当時は無名の若手研究者に過ぎない私ども一家を、親切にキャンパスをご案内いただき、ご自宅にも泊めていただきました。この時の牧野先生のお言葉が今も忘れられません。「イリノイは冬は雪に閉ざされ、何もできないので勉強できます。ハワイ大学に行ってのんびり過ごすのはいいですが、そこで沈没してしまい、勉強できないと、厳しいアメリカ社会では生きていけません」というものでした。なるほどアメリカでも評価されておられる方は、そういうストイックな生活を一生続けておられるのだと肝に銘じました。同時に根から怠惰な私はアメリカでは芽が出ないと認識しました。自由である裏側の競争の厳しさを理解できました。
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