日本史と世界史で読み解く 北米建国物語 第6回 吉宗の改革と十三植民地の発展(5)

十三夜の月のイラスト

― 江戸の財政再建と、大西洋を渡って成長する北米 ―

18世紀後半、日本では田沼意次が登場する

フレンチ・インディアン戦争が終わった頃、日本では田沼意次が政治の舞台で力を持ち始めます。田沼政治では、商業や流通を重視し、株仲間を利用して商業活動を活性化させようとしました。幕府は、「商業からも税や収入を得る」という方向へ進みます。これは吉宗の改革とは異なる発想でした。つまり、日本でも18世紀後半には、「米だけに頼らない経済」がますます重要になっていたのです。

同じ時代、違う「自由」

ここで今回のテーマをまとめてみましょう。

18世紀の日本では、経済が発展するにつれて商人の力が強くなりました。

北米でも、農民や商人が豊かになり、経済活動が拡大しました。

しかし、その「自由」の意味は異なっていました。

日本では、「商売を自由にしたい」という経済的な要求が強まります。

北米では、「自分たちの政治を自分たちで決めたい」という政治的な要求へつながっていきます。

この違いが、1770年代に決定的な意味を持つことになります。

そして、その中心人物として登場するのが、ベンジャミン・フランクリン、ジョージ・ワシントン、トマス・ジェファソンらです。

次回予告

次回、第7回のテーマは、「田沼時代、日本は商業、北米は自治へ」
― 田沼意次とベンジャミン・フランクリンの時代 ―です。
18世紀後半、日本では田沼意次が商業を重視した政治を進めていました。
一方、北米ではベンジャミン・フランクリンのような人物が、科学者、出版人、商人、政治家、外交官として活躍し、植民地社会の「自分たちで政治を行う」という意識を強めていきます。
そして1773年、ボストン港で大量の紅茶が海へ投げ捨てられます。「ボストン茶会事件」です。
この頃、日本では田沼政治が展開されていました。

田沼意次の日本と、フランクリンの北米。同じ18世紀後半に、二つの社会がどのような「近代」を準備していたのかを比較していきます。

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