昭和の日



4月29日は昭和の日で休日、というかゴールデンウイークの初日です。最初は昭和天皇誕生日で、それがみどりの日になり、みどりの日が5月4日に移ったので昭和の日になりました。「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」と祝日法に定められています。そして移動させられたみどりの日は「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」という定義のまま押し出されたかっこうです。要するに根拠がはっきりしないまま、休日だけを確保したという政治的理由であることは明確です。昭和時代も戦前は天長節と呼ばれていて、皇后陛下の誕生日である地久節とセットになっていました。それが戦後、天皇誕生日となり皇后誕生日は廃止されました。このあたりに政府の天皇に対する考えと、祝日に関する考えが伺えます。
日本を除く諸国では、祝日は独立記念日の他は宗教行事か、軍事行事あるいは特定の人の誕生日です。日本だけが宗教性と軍事色を消し、天皇を除く特定の人の誕生日を祝日としない特殊な政治体制になっています。そもそも昭和の日にしろ、みどりの日にしろ、ゴールデンウイークを作るために設定されたとしか思えないご都合主義的な法律で、意義は後付けであることが明白です。それならいっそ4月30日、5月1日、5月2日も祝日にすればいいものをそこは平日扱いにするため、そこに土曜日や日曜日が来るため毎年変則的になります。一方でハッピーマンデーとかいう代休を設定したため、月曜日休みが増えて学校は困るという実態があります。学校側からすると、4月に入学があり、2週間してようやく落ち着いた頃に長い休みが来るので、学生生徒の気分が勉学に維持しにくくなります。会社でも同じことが起き、五月病が発生します。国全体として見るとあまり利があるようには思えません。なぜこんな不合理なことがいつまでも続くのか不思議な現象です。
そもそも本来は5月5日の端午の節句しかなく、そこに昭和時代に天長節が加わってきました。戦後になって5月3日の憲法記念日が加わり、さらに5月1日のメーデーで会社は実質上休み、学校も一部教員が参加するため自習になったりしていました。昔、土曜日は半ドンといい午後から休みでしたから、4月29日の天皇誕生日から5月5日までの1週間が休みの日やら、自習の日やら、午後休みの土曜日や日曜日が来て変則的な1週間が毎年ありました。当時は振替休日もなかったので、毎年カレンダーが変則的という不都合があり、整理して連休にしたということなのですが、目的は休みを増やして観光産業を盛んにしようという政策が中心でした。ゴールデンという表現も日本英語です。その政策の延長線上に振替休日制度ができ日曜日と休日が重なった時は月曜日にするという不合理な政策があり、さらに祝日を動かして連休を多くするという休日増加政策になりました。
しかし今の時代は、休日に仕事をしなければならない人も多く本当に国民の役に立っているのか再考すべき時期だと思われます。メーデーも形骸化しつつあり、労働者でも参加する人が激減しています。
そして有給休暇制度や育児休暇などが徐々に促進されつつあり、大企業と零細企業や非正規労働者など労働者間の差が大きくなってきています。諸外国並みに宗教行事や軍事行事のような政治より強い力による祝日の方が、国民全員の祝日になると想像されます。

ゴールデンウィーク

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