愛 love について
愛という言葉は広い意味をもっています。「愛」という漢字は、古代中国に由来します。古代中国の文字「愛」は、心を表す「心」と、受け入れることを意味する「受」が組み合わさった形をしており、他者の心を受け入れ、それに応えるという愛の本質を象徴する意味があります。漢字の成り立ちを知ると、その意味の深さを教えられます。日本語の中で愛という言葉が使われてきた歴史としては、明治時代まで「愛」という言葉は一般的に使われていませんでした。江戸時代までは「恋」や「情」という言葉が主に使われていましたが、明治時代に西洋文学を翻訳する際に「愛」という言葉が導入されました。それ以前の日本では、仏教の影響もあり、「愛」は執着や欲望を意味することが多く、必ずしもポジティブな意味ではありませんでした。現在では普通に「愛している」という表現が広く使われますが、それは西洋文学の影響ということです。時代劇で「愛している」ということは、本来はありえないことなのです。その西洋文学における愛の概念から導入された言葉ですが、それでも日本文化と欧米文化には多くの違いがあります。例えば、日本文化は集団主義を重視し、他人との調和や共同作業を大切にします。一方、欧米文化、特にアメリカ文化は個人主義を重視し、自己主張や個人の権利を尊重する傾向があります。「和をもって貴しとなす」のは日本文化です。そして、愛の表現方法にも違いがあります。日本では、愛情表現が控えめで間接的なことが多いのに対し、欧米では直接的でオープンな表現が一般的です。日本では「愛している」という言葉を使うことが少なく、代わりに「月が綺麗ですね」といった間接的な表現が好まれることがあります。日本では直接的な表現よりも、婉曲的な表現を好む「奥ゆかしさ」が尊重されます。そのため、高齢者の多くは「愛している」という表現を恥ずかしく感じる人が多いのです。西洋では、神の愛と男女の愛つまり恋愛を区別します。神の愛をアガペーといい、神の愛は、無条件で自己犠牲的な愛を意味します。キリスト教の教えにおいて非常に重要な概念です。アガペーの愛は、見返りを求めず、無償で他者に与える愛です。例えば、聖書には「神はその独り子をお与えになったほどに、世を愛された」(ヨハネ3:16)という言葉がありますが、これは神の無条件の愛を示しています。それに対し恋愛はギリシャ語で「エロス」と呼ばれ、主に男女間のロマンチックな愛を指します。エロスの愛は、情熱的で感情的な側面が強く、しばしば肉体的な魅力や性的な欲望に基づいています。恋愛は一時的な感情であり、時間とともに変化することがあります。無条件性: 神の愛は無条件であり、見返りを求めませんが、恋愛はしばしば条件付きであり、相手からの反応や行動に影響されます。神の愛は自己犠牲的であり、他者のために自分を犠牲にすることを厭いませんが、恋愛は自己満足や相互の利益を求めることが多いです。神の愛は永続的で変わることがありませんが、恋愛は時間とともに変化し、終わることもあります。こうした西洋文化は日本では理解されていないことが多いです。
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