英国コモンウエルス


コラム挿絵:コモンウェルス旗のイラスト

1819年5月24日にヴィクトリア女王が誕生したことから、この日をコモンウエルス・デイという記念日が制定されております。ヴィクトリア1世治政が英国史上最も国勢等盛んだったとされています。コモンウェルス(commonwealth)とは、公益を目的として組織された政治的コミュニティーを意味する語で。歴史的には共和国の同義語として扱われてきました。かつてイギリスの植民地だった諸国との緩やかな連合体として「Commonwealth of Nations」が結成されており、その加盟国の中で現在もイギリスの君主を自国の君主(元首)として戴く個々の国を「Commonwealth realm」(「レルム(realm)」の記事も参照)と呼んでいます。オーストラリアは、「Commonwealth of Australia」を正式名とし、「オーストラリア連邦」と日本語訳されることがあります。オーストラリア総督(Governor-General of Australia)は、オーストラリアの元首たるオーストラリア国王(イギリス国王と同一人物)の代理人とされています。イギリス国王がオーストラリアに滞在しているときは、その地位はオーストラリア国王になりますが、実際に滞在することは少ないため、代理として総督が派遣され、首都キャンベラに在留することになっています。現在ではオーストラリア連邦政府が指名した人物をイギリス国王が任命することになっていて、憲法上は幾つかの権限を有しているが、事実上は名誉職とされています。英連邦の制度は1931年にイギリス議会におけるウェストミンスター憲章(Statute of Westminster)において、イギリス国王に対する共通の忠誠によって結ばれました。それぞれが主権をもつ対等な独立国の自由な連合体と定義され、イギリス、アイルランド自由国(のちに脱退)、カナダ、ニューファンドランド(のちにカナダの1州となる)、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ連邦をメンバーとして発足しました。そして次第に拡大し、現在では、イギリス国王を国家元首としている国(英連邦王国)は次の15カ国となっています。アンティグア・バーブーダ・オーストラリア・バハマ・ベリーズ・カナダ・グレナダ・ジャマイカ・ニュージーランド・パプアニューギニア ・オーストラリア・セントクリストファー=ネイビス・セントルシア・セントビンセント=グレナディーン・ソロモン諸島・ツバル(アルファベット順)。その他に独自の君主を持つ国5カ国(マレーシア ・ブルネイ ・トンガ ・レソト ・エスワティニ)があり、さらに共和国が36カ国あり、現在も56ヵ国が加盟しています。普段、それほど結びつきが強くない国もありますが、冠婚葬祭の際には集まって行事を行います。日本では1931年に成立したこの国家連合を「イギリス連邦」と言っていますが、英語では、the British Commonwealth of Nations といい、直訳すれば、「イギリス領コモンウェルス」であり、コモンウェルスとは「公共の福祉、みんなの富」というのが本来の意味です。連邦を結びつけているのは「イギリス国王に対する忠誠」という観念しかなく、現在では帝国=コモンウェルスと定義されています。

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