旧暦の世界

昨日から旧暦だと7月に入りました。和名だと文月(ふみづき、ふづき)です。旧暦は新暦より一月ほど遅いことが通例ですが、今年は閏月も入ったので、余計にずれてきています。とはいえ、昨今の猛暑から考えると、これから本格的な夏に入るというのも実感があるかもしれません。もっとも旧暦の時代に比べ、ここ数年は急激な温暖化になってきたので、季節感もすっかり変わってきてしまいました。
この温暖化は二酸化炭素の急増によるという説が流布していますが、一方で、昔の日本でも温暖化の時代や寒冷化の時代があったことが知られています。とくに縄文時代はかなり温暖化だったらしく、たとえば青森県の有名な縄文遺跡である三内丸山古墳は、当時の文化の中心であったようですし、北海道にも縄文遺跡が見られることから、現在は寒冷地とされている北海道や東北地方も、縄文時代は温暖であったという説にも説得力があります。現代の温暖化説にしても、1760年頃の産業革命以降に進んできた、という説明なので、まだ300年も経っていません。45億年といわれている地球の歴史を考えると、植物が繁茂した時代があって、恐竜などの時代があり、その時代は温暖だったと素人でも想像できます。それが寒冷期が来て、彼らは絶滅し、その後に人類が誕生したと考えられています。人類がアフリカで誕生し、次第に北上して行けたのは温暖であったからといえそうです。
このように超長期に考えると、温暖期と寒冷期は長いスパンで交互にやってくるものだろうという想像ができます。それを二酸化炭素の増加だけに原因を求めるのはちょっと無理があるのではないか、と素人は想像します。ただ現在の砂漠地方の天気を見ると寒暖の差が大きいので、地球全体が砂漠化していくと、寒暖差の大きい気候の地域が増えることは予想されます。しかし物事はそう単純ではなく、日本は砂漠が少なく、ほとんどが森林に覆われています。そして大都会でも東京は比較的緑の多い都市です。それでも寒暖差が大きくなっているのは砂漠化説でも説明できません。海水温が高くなっているから、という説明も、それならより海水温が高い沖縄の方が涼しいという今年の現象が説明できません。要するに何もかも説明できる1つの仮説というのはありえないのです。これは科学者なら誰でも知っています。とくに自然現象を説明できる単一の要素を発見することなどありえないのです。それができれば確実にできる天気予報ができます。
スーパーコンピュータという膨大なデータを処理できる技術をもってしても、なかなか当てることができないのが天気予報です。雨雲レーダなどから、直近の進路予想をするのが精いっぱいです。これとて、過去の経験値の集積からの統計的予想であり、要素の組み合わせによる分析仮説ではありません。最近はやりのAIも膨大なデータがないと結果が出せないのです。AIを使ったことがある人なら、すぐにわかりますが、どうしてそういう結果になったのか、という要素はわからないのです。だから「予想外」の結果を出せます。旧暦の行事や伝統は膨大な量の経験知ですから、大事に後世に残したいですね。
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