日本史と世界史で読み解く 日米物語 第14回(2) 第一次世界大戦と日米関係

十三夜の月のイラスト

― 日本はなぜ「列強」になり、アメリカはなぜ世界の中心へ向かったのか ―

・日本にとって「戦争」は利益ももたらした

第一次世界大戦中、日本はヨーロッパで戦争が続いている間に、輸出を大きく伸ばしました。ヨーロッパの工業国が戦争に集中したため、アジア市場で日本製品への需要が高まったのです。繊維製品。船舶。機械。化学製品。さまざまな商品の輸出が増加しました。

日本経済は大きく成長します。これを「大戦景気」と呼びます。それまで日本は、欧米から機械や工業製品を輸入する側面が強い国でした。しかし第一次世界大戦によって、「日本も工業国として世界市場で競争できる」ことが明確になっていきます。

・しかし、アメリカはもっと大きく成長した

第一次世界大戦で、アメリカも大きな経済的利益を得ます。戦争初期、アメリカは中立でした。しかし、ヨーロッパの交戦国に大量の食料、武器、工業製品を輸出します。

イギリスやフランスなどの連合国は、アメリカから大量の商品を購入しました。その結果、アメリカの工業生産はさらに拡大します。ヨーロッパの工業地帯が戦場となって破壊される一方、アメリカ本土は戦場になりませんでした。この違いは非常に大きな意味を持ちます。戦争が終わったとき、ヨーロッパは疲弊し、アメリカは巨大な経済力を持つという構図が生まれたのです。

・アメリカはなぜ最初、中立だったのか

第一次世界大戦が始まったとき、アメリカ大統領はウッドロウ・ウィルソンでした。ウィルソンは当初、中立政策を掲げました。アメリカには、ヨーロッパの戦争に巻き込まれたくないという考えが強くありました。これはアメリカ史に長く存在した、「ヨーロッパの争いから距離を置く」という伝統とも関係しています。アメリカは独立以来、ヨーロッパの大国政治とは一定の距離を保とうとしてきました。しかし、20世紀になるとアメリカ自身が巨大な経済力と軍事力を持つようになり、世界から離れていることが難しくなっていました。

・1917年、アメリカ参戦

1917年、アメリカは第一次世界大戦に参戦します。大きな理由の一つが、ドイツによる無制限潜水艦作戦でした。ドイツの潜水艦が商船などを攻撃し、アメリカの船舶や市民も被害を受けます。さらに、ドイツがメキシコにアメリカとの戦争を促す内容を含む「ツィンメルマン電報」も問題となりました。こうした出来事を背景に、ウィルソン大統領は議会に宣戦を求めます。そしてアメリカは連合国側として戦争に参加しました。

・アメリカ軍がヨーロッパへ

アメリカ参戦は、戦争の流れを大きく変えました。アメリカ軍がヨーロッパへ派遣されます。大量の兵士。大量の物資。巨大な経済力。これらが連合国側を支えました。 1918年、ドイツは次第に追い詰められ、11月11日に休戦が成立します。第一次世界大戦は終わりました。しかし、世界は戦争前と同じではありませんでした。

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