日本史と世界史で読み解く 日米物語 第14回(1) 第一次世界大戦と日米関係

― 日本はなぜ「列強」になり、アメリカはなぜ世界の中心へ向かったのか ―
20世紀が始まったころ、日本とアメリカはともに急速に国力を伸ばしていました。日本は明治維新からわずか数十年で近代国家を作り上げ、日清戦争、日露戦争に勝利しました。
アメリカは南北戦争後の工業化を急速に進め、鉄鋼、石油、鉄道、自動車などの産業で世界有数の経済大国になっていました。そして両国は、ともに太平洋を越えて世界へ進出し始めます。ところが1914年、ヨーロッパで大規模な戦争が始まりました。第一次世界大戦です。
この戦争はヨーロッパを舞台として始まりましたが、その影響は日本とアメリカにも及びます。そして戦争が終わったとき、世界の勢力関係は大きく変わっていました。
日本は「列強」の一員として国際政治の舞台に立ち、アメリカは世界最大級の経済力を持つ国として、国際秩序を左右する存在になります。しかし、両国の関係は次第に複雑になっていきます。第一次世界大戦はなぜ始まったのか
1914年6月28日、オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子フランツ・フェルディナント夫妻が、サラエボで暗殺されました。この事件が直接のきっかけとなって、オーストリア=ハンガリーとセルビアの対立が激化します。しかし、それだけが戦争の原因ではありません。
当時のヨーロッパでは、ドイツ。イギリス。フランス。ロシア。オーストリア=ハンガリー。などの列強が、それぞれ軍事同盟を結んでいました。オーストリアとハンガリーは、現在は別の国ですが、当時は同じハプスブルグ家王朝の支配下にある、兄弟のような国でした。さらに、植民地獲得競争、軍拡、民族問題などが複雑に絡み合っていました。一つの地域で始まった紛争が、同盟関係を通じて次々に大国を巻き込みます。こうして、ヨーロッパは巨大な戦争へ突入しました。
・日本はなぜ参戦したのか
日本は第一次世界大戦に参戦しました。その背景にあったのが、1902年に結ばれた日英同盟です。日本はイギリスと同盟関係にありました。
第一次世界大戦が始まると、イギリスはドイツと戦うことになります。日本はイギリスから、東アジアや太平洋にあるドイツの拠点を攻撃するよう求められました。1914年8月、日本はドイツに宣戦布告します。こうして日本は連合国側として第一次世界大戦に参加しました。
・日本はヨーロッパではなく、アジアで戦った
日本が主に戦った場所はヨーロッパではありません。ドイツが中国に持っていた租借地、青島です。日本軍は青島を攻撃し、1914年11月にドイツ軍を降伏させました。また、ドイツが太平洋に持っていた南洋諸島の一部も日本が占領しました。
つまり日本は、「ヨーロッパで始まった戦争を、アジア・太平洋で戦った」のです。
これは、これまでの連載で見てきた日本とアメリカの太平洋進出とも深く関係しています。太平洋はすでに、欧米列強の国際政治の舞台になっていました。
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