エイプリル・フール



4月1日はエイプリル・フールで嘘をついてよい日ということになっています。だれが始めたのか、どうして日本に伝わったのか、どうもはっきりした証拠がありません。いわゆる「諸説があります」ということのようですが、どうも新聞が始めたようです。
5月1日から消費税がゼロになります。つまり単純に物価が1割安くなります。会社もお店も消費税がないと大変助かります。お店は営業によって利益がでなければ事業税を払う必要がありません。しかし消費税は売り上げがあると売り上げに応じた消費税を支払わねばなりません。原理としては売り上げにかかる消費税から仕入れにかかった消費税を差し引いて納税すればよいので、売り上げの1割をまるまる納税しなくてもよいのですが、仕入れがほとんどのない場合、たとえば自分の畑で作った野菜で料理を出すと種代とか肥料代程度しか差し引けません。つまり労働分は仕入れとはみなされないわけです。そして従業員を雇っても人件費は差し引けません。それどころかその労賃に対して源泉徴収税を差し引いて支払い、その代理徴収分を納税しなければならないのです。この納税にかかる費用たとえば税理士に納税書類を作ってもらう報酬や銀行に出向く交通費などは納税者が払います。要するに政府は黙っていても国民がお金を納めにくるのです。そして納めないと脱税として処罰されますし、遅れると延滞税という法定利息をはるかに超える罰金をとられます。
ビジネスの世界なら、お金をもらう方がいろいろサービスを提供したり、商品を渡すのですが、税金の世界だけは払う方がいろいろサービスを提供しなければならないという制度になっています。保険料はまだ還元されることがある分マシですが、税金は何に使われているのか、どのように使われるのかを国民が指定できません。政府が勝手に使い、その政府は政治家が作っているという構図です。
事業税や所得税はいわゆる「儲けている」人が儲けから出すので、ある意味公平ですが、消費税は所得のあるなしに関係なく物を買えば取られるしくみなので、裕福でない人には不利な税制です。そもそも定価という制度自体がそうなっています。文化圏によっては定価という制度はなく「ほしい人と売りたい人が相談してきめる」という売価制度が普通です。売値を値切ったり、ふっかけたりするのがむしろ公平で当たり前の制度なのです。近年、ネットで売買するのが流行っていて、転売なども問題になっていますが、一方で何とか鑑定団のように相場を教えたり、リサイクルショップなどが買値を決めるビジネスもあります。こうした非定価販売が増えるのは定価制度に不便さがあることを示しています。
消費税は売買を前提とした税制なので、それがなくなると経済活動が盛んになることは間違いありません。しかし政府は必ず入ってくる税金の打ち出の小槌を離そうとはしません。どこの国の政府も政府が大事で国民は二の次です。とくに政府と国民が遊離している独裁国家ではその傾向はさらに強くなります。実際、独裁国家はどこも税金が高いです。例外は産油国の王政くらいでしょう。王政の場合、経済の利益は全部王様がもっていくので、国民は税金がいらないのです。
コロナ禍がだいぶ終わりに近づいている気配ですが、アフターコロナの社会はどうなるでしょうか。欧州は消費税減税を始めています。減税が経済効果をもたらすことが明白だからです。日本はどうするでしょうか。

税金

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