ザメンホフ
井上ひさし、梅棹忠夫、大杉栄、新渡戸稲造、宮沢賢治、柳田國男、吉野作造、その他、の共通点は何かというと「エスペランチスト」です。12月15日はエスペラント(Esperanto)を考案したザメンホフ(Lazaro Zamenhof)の誕生日です。
ザメンホフ(1859~1917)はユダヤ系ポーランド人の眼科医・言語学者で、当時、帝政ロシア領であったポーランドに生まれました。ロシア語、ポーランド語の二言語の不便さを知り、27歳の時、エスペラントを発表し、生涯この普及に尽くしました。
エスペラントは現在のところ最も広く使われている「人工言語」で、母語の異なる人々の間での意思伝達を目的としています。12月15日には世界各地でエスペラント使用者により「ザメンホフ祭」(Zamenhofa Festo)が開かれます。日本では6月12日に一般財団法人日本エスペラント協会が設立された日を記念して「エスペラントの日」としています。
エスペラントは世界中の人々にとって平等な第二言語としての国際補助語を目指して作られたので、エスペラント運動では原則としてエスペラントは誰の母語にもなるべきではないという建前です。母語話者と第二言語話者の間に不平等を生み出すので母語話者に反対する人もいます。一方、母語話者の出現はエスペラントを自然言語と対等の完成された言語とするために必要不可欠であり、エスペラントの発展のために歓迎すべきだという意見もあるようです。母語話者がいるかというのが問題ですが、現在最大2,000人程度はいるようです。両親がエスペランチストの間に生まれた子供は母語話者になる可能性が高いのです。投資家ジョージ・ソロスもその一人です。
現在でも国際語として最大の言語は英語ですが、非母語話者は不利です。またイギリス以外でもアメリカ、オーストラリアなどは異なる英語であり、インドやシンガポールのように公用語になっている国もあります。日本のように他の外国語に比べると圧倒的に理解度が高い国もあります。こうしたいろいろな英語をWorld Englishesと複数形にして、相互に理解しようという運動もあります。日本英語もJapenglishとしてその中に入ります。
エスペラントは欧州言語主体なので、日本人には学習が難しいことは変わらず、一方で英語教育期間が長いので、日本独自の英語体系が発達してしまいました。それをそのまま使うか、さらにドイツ語やフランス語を学べばエスペラントも学び易いという矛盾した状態です。統一がいいか、多様性のままがいいか、言語も悩んでいます。
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