携帯アプリと和製英語
2001年(平成13年)のこの日、NTTドコモが携帯アプリケーション「iアプリ」のサービスを開始した。
多彩なゲームやツールが登場し、日本の携帯電話が世界をリードするきっかけになった。これを記念して携帯アプリケーションのさまざまな事業を展開するスパイシーソフト株式会社が制定。記念日は一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。(https://zatsuneta.com/archives/101264.html)
ということで1月26日は「携帯アプリの日」なのだそうです。サイトによってはNTTドコモが制定したように書いてありましたが、別の会社が申請したようです。1999年創業のこの会社は携帯アプリ流通事業を2001年に開始し、その時に申請したようです。アプリという用語もその時に考案したと思われます。
アプリとはapplication softwareのことで、英語ではappと略されます。発音としてはappleの最初と同じで日本人が苦手な音です。日本語風にアプリというと文脈から想像してもらえる可能性はありますが、まず直には理解されない借入語ですので、要注意です。パソコンpersonal computerも同様の借入語で、情報の世界は国際的のようでいて、日本的進化、いわゆるガラパゴス的進化が激しいです。国際化を叫ぶグローバリズムもまず日本人の借入語創成を何とかしないと、一般人の英語教育をいかに推進しようと効果が薄いです。結果から見ると、日本人のほとんどは英語が読めます。しかし会話に苦労しています。その原因は発音にあるのではなく、語彙と文法にあり、新たに日本式英語を次々に作りだしていくことにあります。これは1つの能力であり、昔は漢語を使って新語を次々と作りだしていきました。明治時代は英語を漢訳して新造語を作成するという荒業でしたが、今日ではすっかり定着し日本語のような感じになっています。そのため、たとえばsocietyを社会と漢訳したため、英語の時間に「社会を英語ではソサエティという」と学習することになります。当然、発音は日本式です。しかも意味も日本式に拡大・限定していきましたから、英語とのギャップは広がるばかりです。こうして日本語の語彙は拡大していったのですから、良い面もあったのですが、英語との対応では負の面も大きかったといえます。この漢語訳(正確には日本式新漢語)は現在も続いており、たとえばvirtual realityがバーチャル・リアリティとかVRと表現されたり、仮想現実という「日本語」訳されたりして混乱気味です。そして皮肉なことに英語のvirtualを知らないという現象が起こります。こういう不便はアプリでは対応できないのではないでしょうか。
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