清明
4月5日から二十四節気の清明(せいめい)に入ります。二十四節気は太陽暦に従うので、地域による差がありますが、日本の季節感と一致しています。清明は春分と次の穀雨の間の15日です。二十四節気は1年を24に区切ったものなので、月に2回あり、次々に変わりゆく日本の季節感を示しています。今回の清明は万物が清らかで生き生きとした様子を表した「清浄明潔」という言葉から来ているとされています。花が咲き、蝶が舞い、空は青く澄み渡り、爽やかな風が吹く頃ということで、気持ちのよい季節なのですね。
二十四節気はさらに初候、次候、末候の3つに分解され、七十二候になっています。理屈の上では5日毎に変わるわけですが、それほど厳密に考える必要のものではなく、季節感なので「ああ、もうそういう時期なのだなあ」という分類です。
清明の初候は玄鳥至(つばめきたる)です。冬の間、暖かい東南アジアの島々で過ごしていた燕が海を渡って、日本にやってくる頃です。燕の飛来は、本格的な春の到来と農耕が始まる季節ということを表しています。
次候は鴻雁北(こうがんかえる)燕とは反対に、冬の間を日本で過ごした雁が北のシベリアへと帰っていく頃という意味です。
末候は虹始見(にじはじめてあらわる)です。春が深くなるにつれ、だんだん空気に水分が増えてくるので、この時期からきれいな虹を見ることができるようになってきます。このように清明の半月の間に、空気感が大きく変化していく時期ともいえます。
この時期に旬を迎える食べ物とされているものもあります。海産物としては栄螺(さざえ)があります。サザエは春から夏が産卵期になるので、春から初夏が旬の時期とされています。サザエの語源は「小さい家」という意味であり、ササが小さいことを表し、エが家を表しています。ヤドカリのようなイメージで貝の中に本身がいるので、外の殻を家と見立てた命名です。
野菜類としては三つ葉が出回る時期です。少し前に芹(せり)や土筆(つくし)、菜の花などを楽しんだのですが、山に行くと三つ葉が採れます。今では畑で栽培するので季節感がなく、三つ葉は丼物の添え物のような感じですが、昔は野菜として食べていたのです。またこの時期に早い所では新じゃがいもがでてきます。今は北海道産が増えたので時期はもう少し遅いのですが、南の方ではもう採れる時期です。新じゃがいもは葉や茎がまだ青い状態の時に収穫し保存されるので、小ぶりで鮮やかな色をしていて皮が柔らかいのが特徴です。十三詣という行事もこの時期です。数え年で13歳になる子どもたちが、虚空蔵菩薩を参拝し、知恵や福徳を授かります。
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