昭和の日
4月29日は昭和生まれにとっては天皇誕生日でした。Wikipediaの解説では「「国民の祝日」の一つ。「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」ことを趣旨としている。「(春の)大型連休」とも呼ばれる「ゴールデンウィーク」(Golden Week:GW)を構成する祝日の一つでもある。」としています。趣旨説明はどうもしっくりきません。GWの祝日の一つというのが納得できます。
そもそもこの祝日は意義は後付けで「休日にしたい」という思惑が透けてみえます。
「1989年(昭和64年)1月7日の昭和天皇崩御の後、それまでの「天皇誕生日」であった4月29日を昭和天皇が生物学者であり自然を愛したことから「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」日として「みどりの日」となった。実際に制定された法律には記載がないが、「昭和天皇を偲ぶ日」という趣旨であった。」
(同上)このあたりから説明が無理になってきています。そして「その後、多くの国民の要望を受けて「昭和の日」に改称することとなり」というのは本当でしょうか。「2度の廃案の後に2005年(平成17年)に成立、2007年(平成19年)の「国民の祝日に関する法律」(祝日法)の一部改正により4月29日は「昭和の日」に改称され、「みどりの日」は5月4日となった。」(同上)という経緯からみても、意義よりはGWを確保するための便法であることが明白です。要するに観光目的のご都合主義の象徴ともいえます。
しかしGWは人混み、高価で避ける人も増えてきました。また外国人には関係のない習慣です。コロナ禍明けで大勢押し寄せてきた外国人のため、むしろこの時期は避けようという日本人が増えるのではないでしょうか。働き方改革という方針やテレワーク推進により、昔よりも休日のとり方が変わってきていて、GWの旅行を煽るのはテレビだけというのが現実です。昭和世代は高齢化しており、退職して時間もあるので、昭和の日にでかけようという人は少ないと思われます。むしろ「国の将来に不安をもっている」人が圧倒的に多いでしょう。若い人々に比べれば経済的な余裕がある人が多いとはいえ、年金の減額や物価高で、一方の若い世代は生活が厳しく、将来の不安が大きいので、政府が目論む観光政策には貢献できません。観光はどうしても外国人向けということになってしまいますが、日本の観光収入に占める外国人の割合はまだそれほど多くなく、15%程度だそうです。それも最近は漫画の聖地巡りなど、消費性の少ないものが増えてきました。爆買いのようなバブルはもう終わっています。昭和のバブルが頭に残っているのは、古い政治家と官僚だけという現実があります。ご都合主義で祝日の意義を左右するようでは、政治の貧困が令和時代という後世の評価になるかもしれません。
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