Happy Summer Valentine



8月14日はハッピー・サマー・バレンタイン、だそうです。「ハッピーサマーバレンタインデー」は、あの『テニスの王子様』の原作者、許斐剛氏が制定した、夏に贈る特別な日なのだそうです。

『テニスの王子様』は1999年に『週刊少年ジャンプ』で連載が開始された『テニスの王子様』。中学校のテニス部を舞台にした作品です。バレンタインデーにはチョコレートを贈る文化がありますが、『テニスの王子様』のキャラクターたちにも実際に贈られていたんだそうです。そのお返しとして、夏の8月14日にこの記念日が設定されました。溶けやすいチョコレートのように、夏ならではの暖かい気持ちを表現する日として、ファンにとっては特別な意味を持つのだそうです。この記念日は、単なるイベントではなく、作品への愛と創作への敬意を示す日で、ファンがキャラクターに対して抱く特別な感情を形にするという、非常にユニークな試みです。作品の世界観を現実に持ち込み、ファンと作品の間に新たなコミュニケーションを生み出すのが最近の傾向であり、作品の聖地巡りはもう日常化し、海外からもファンがやってくるほどです。

バレンタインが恋愛の日になってから、一月後にはホワイトデーがあり、バレンタインにチョコレートを贈る相手のいない人のためのブラックデーがあり、さらにはそのブラックデーにも仲間がいない人のために一人でカレーを食べるイエローデーまであるくらいですから、サマーバレンタインデーくらいで驚いていてはいけないのかもしれません。それにしても、元々の聖バレンタインさんは驚いているかもしれません。元の西洋のものをアレンジして日本文化にしてしまうのは日本人の得意技で、ラーメン、ギョーザ、トンカツ、カレーなど、今や日本食として世界に有名になった「外来の」食事も多いです。しかも、それらはさらに「進化中」で、いろいろなバリエーションが毎日のように日本各地で創意工夫されています。そういう多様性こそが日本文化の特徴といえそうです。よく「日本人は創造が苦手」といわれますが、創造とはゼロから作り出すことではなく、今あるものから工夫して新たなものを作り出すことですから、日本人はむしろ創造が得意と考えるのが正しいといえそうです。実際、今あるものの元をたどればどこまで遡れるのかキリがありません。「何かのものまね」と誹謗することに意味はないのです。そっくりコピーすれば盗作ですが、そこに工夫を加えれば新作です。工夫する際、元から劣化するのではなく、良化するのであれば意義は大きいわけで、それがコスト削減や環境への適応であれば社会貢献です。

その意味では、サマーバレンタインはブラックデーやイエローデーとは異なる発想で、いわばホワイトデーが進化した文化といえます。チョコレートは夏には溶けやすいので、売れ行きも下がるそうですから、土用丑の鰻文化を創作した平賀源内と同じく、チョコレート屋さん救済の救世主かもしれません。サマーバレンタインは「テニスの王子様」が始めたことですが、漫画やアニメの世界でさらに発展し、世界へと広がるかもしれません。それこそクールジャパンでしょう。

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