対日戦勝記念日2



9月3日に対日戦勝記念日をする国もあります。米国は9月2日の戦艦ミズーリ上での調印式を実況中継したラジオ放送が終わった後、トルーマンがラジオで演説し、9月2日を正式にVJデーとし、第二次世界大戦を勝利で終えたことを宣言したので第二次世界大戦の終了は1945年9月2日ということになっています。
ソ連は降伏調印の翌日の9月3日を対日戦勝記念日としていました。ソ連は8月9日に対日戦を開始し、降伏調印式が行なわれている9月2日にも歯舞諸島攻略作戦を発動し、9月5日に千島全島占領をしました。それで9月2日を戦勝記念日とは言えず、翌3日に戦勝記念式典を開いて体裁を整えたのでした。しかしソ連崩壊後の2010年7月に、政権を受け継いだロシア連邦共和国議会が9月2日を第二次世界大戦が終結した日と制定する法案を可決しました。これによりロシアは第二次世界大戦を連合国として戦った国としてアピールし対日戦で行なったあらゆる行為を帳消して北方領土の実効支配を正当化しています。
 中華民国は中国大陸での戦闘の主役であり連合国の一員としてポツダム宣言にも加わりました。日本帝国陸軍支那派遣軍は9月9日に南京で正式な降伏調印をし国民党軍に降伏しました。しかし国民党政府は9月2日は戦闘の区切りであり翌9月3日から3日間を抗日戦争勝利記念の休暇としたことから中華民国では9月3日が記念日となっています。
 中華人民共和国の成立は1949年ですから戦勝国とするには無理があります。そこで9月2日の翌日を独自の対日戦勝記念日と制定し、全国人民代表者会議で日本の侵略に対する中国人民の抗戦勝利の日と決定したのは2014年です。以後この日に軍事パレードを含む派手な戦勝記念日行事を行ない既成事実化を図っています。
 朝鮮半島では大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国ともに1945年時点で国家として存在していないため、対日戦勝記念日はありません。日本が終戦記念日としている8月15日を韓国では光復節、北朝鮮では解放記念日としています。
 イギリスは8月15日をVJ Dayとしています。
 ベトナムは日本が降伏文書に調印した9月2日にフランスから独立しベトナム民主共和国(旧南ベトナム)の樹立が宣言されました。統一によってベトナム民主共和国を継承したベトナム社会主義共和国(旧北ベトナム)ではVJデーに当たる9月2日は国慶節とされており対日戦争はしていないのでVJとはなっていません。
 国連United Nationsは連合国と訳すべきで、日本を含む枢軸国に対する戦勝国というのが本来の意味です。

平和

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