Clean Coal



9月5日はクリーンコールの日です。通商産業省(現在の経済産業省)の呼びかけにより日本鉄鋼連盟・電気事業連合会・日本石炭協会等8団体が1992年に制定しました。ウクライナ問題でロシアの天然ガスLNGの供給が激減し、欧州はエネルギー不足が深刻で急遽原子力や石炭火力による発電が必要になってきました。つい最近まで環境問題とか脱炭素とか大騒ぎしていたのに掌を返して石炭を求め始めました。クリーンコールclean coal(きれいな石炭)技術では日本がリードしているのですが環境運動家たちは日本の石炭技術を環境汚染につながるとして認めてこようとはしませんでした。TDKのサイトの説明では「現在商用発電として主流の石炭火力発電は、燃焼効率を上げるために、石炭を細かい粉状に加工した超微粉炭を燃やしています。さらに、環境に配慮した新しい石炭火力発電技術として注目されているのがIGCC(石炭ガス化複合発電)です。IGCCは石炭を燃やして直接ボイラーを動かすのではなく、ガス化炉で可燃ガス化してガスタービンを使って発電します。同時に、ガスタービンの排熱を利用してボイラーを動かし、蒸気タービンでも発電するコンバインドサイクルを活用することで、さらに効率を上げます。石炭をガス化するには超微粒炭に空気や酸素を吹き付け加熱します。すると、メタン(CH4)などの炭化水素ガスや水蒸気などが発生し炭素(C)が残ります。炭素と吹き付けられた酸素が反応することで二酸化炭素(CO2)と一酸化炭素(CO)が発生します。さらに周囲にある水蒸気と炭素が反応して一酸化炭素、二酸化炭素、水素が発生します。石炭の微粒子が徐々にガス化していき、最終的にガスがどのような組成になるかは、圧力と温度に依存し、圧力3メガパスカル(約30気圧)・1,200℃以上で反応させると最終的に一酸化炭素と水素の混合気体になります。この気体を燃焼して、ガスタービンを回します。従来の石炭火力発電と比較すると、IGCCは、コンバインドサイクルの利用により、エネルギー効率向上して、1kwhあたりのCO2排出量はおよそ10?20%程度削減できます。また、CO2を燃焼前に分離回収することにより、さらにCO2排出量は削減できます。石炭のガス化によって発生する可燃性ガスの中には水素ガスが含まれています。IGCCのガスタービンの手前に燃料電池を置き、石炭から発生する水素ガスで燃料電池による発電を行う方式を、「IGFC」(石炭ガス化燃料電池複合発電)といいます。IGFCではまず水素ガスを使った燃料電池による発電を行います。次に燃料電池では反応しきれずに排出される水素ガスを燃焼してガスタービンを回します。さらにそのガスタービンの排熱で蒸気タービンを回すという、「三度おいしい方式」なのです。世界はこの技術を理解し採用すれば太陽光や風力のような不安定な自然エネルギー発電は不要なのです。

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