春雷


コラム挿絵:春雷のイメージ画像

春雷、という語の響きがよいからなのか、季節感があるせいなのか、多くの歌や文学に登場します。ネット検索するとまず米津玄師がでてきます。春雷(しゅんらい)は、文字通り春に鳴る雷のことです。時期的には立春から立夏の頃までに発生する雷をさします。寒冷前線が通過する時に発生する界雷(かいらい)で、雹(ひょう)などを伴う事もあります。 立春の頃の雷は春の到来を伝えるともいわれ、冬眠していた地中の虫たちが雷鳴に驚いて目覚めるという意味から「虫出しの雷」とも呼ばれています。発雷(はつらい)という呼び名もあります。北陸地方に住んでいる人は冬でも雷は鳴るので、とくに春の雷には違和感があるかもしれませんが、この冬の雷が鳴るのは北日本日本海側にある地域だけですが、全国的には雷が鳴り始める事で季節が冬から春へと移り変わった事を感じる事ができます。雷は地形との関連が強いので、北関東では雷の多い時期は異なります。春雷は俳人にとって良い材料とみえて、実に多くの句があります。どれを選んでいいのか迷うので、この際、たくさんご紹介しますので、好きな句を選んでみてください。

春雷や女主に女客/星野立子。春雷や花見過たる町の空/篠原。春の雷林の空の力抜け/岸田稚。春雷や男が磨く女の靴/不死男。春雷や蒲団の上の旅衣/島村元。春雷や胸の上なる夜の厚み/綾子。強飯式大春雷に厳修す/西本一都。春雷の水に塔影揺るゝなし/裸馬。春雷や草に沈める松落葉/原石鼎。春雷や島には島の犬走り/三谷昭。春雷や俄に変る夜の色/杉田久女。春雷や旅の褥に男の香/大橋敦子。春雷や春木は學に志し/内田百間。春雷や刻来り去り遠ざかり/立子。春雷の一発に天革まる/高橋悦男。春雷やうす日来てゐる蓬原/石鼎。春雷や暗き廚の桜鯛/水原秋桜子。川上の欅長者に春の雷/桑原三郎。火柱を見し春雷の地中海/森田峠。春雷を背に疾走す野性馬/須藤徹。春雷や雀色時妻待てば/清水基吉。山間の小学枚や春の雷/田中冬二。峰わたる春雷一つ水戸言葉/原裕。十万の鶏冠立てし春の雷/吉川耕花。人体は哀しき器春の雷/鈴木けんじ。春雷や花なき壺と聖母像/福田蓼汀。春雷や皆腰浮かす貸農園/毛利友美。三山の天心にして春の雷/沢木欣一。春雷や能面赤き唇を持つ/豊東蘇人。いちまいの白い人体春の雷/島津亮。春雷の一瞬にして高澤家/高澤晶子。舟虫の巌や浪を一かぶり/平尾春雷。短日や制服のまゝ厨ごと/平尾春雷。春雷の去れば忽ち野の匂ひ/星野椿。春雷や筆垂直に習字塾/赤松けい子。左手に激烈な塔春雷す/田川飛旅子。春雷や海水旅館汐汲める/田中冬二。春雷や牡丹の蕾まつ蒼に/川端茅舎。軽石に蹠たのしぶ春の雷/石川桂郎。春雷の闇より椎のたちさわぐ/龍太。紫の雲起きて来て春の雷/細見綾子。火襷の裾に陶印春の雷/藤原美規男。海近き越前堀や春の雷/大場白水郎。春雷に話とだへし女客/鳥沢まさ江。春雷や観瀾亭に客となり/鈴木花蓑。春の雷天使躓き落ちてきし/伊藤梢。旅荷解く框に響き春の雷/村上光子。春雷や布団の上の旅衣/島村元句集。惜春の雷ぞ海彦統ぶる国/大西淳二。春雷や布團の上の旅衣/島村はじめ。

まだまだありますが、お好きな句はありましたか。
(https://www.haiku-kigo-ichiran.net/shunrai/より)

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