老人
9月15日は老人の日です。敬老の日もあるのに不思議に思われると思いますが、老人の日と敬老の日は違います。敬老の日はハッピーマンデー制度が始まったことで9月15日から9月の第3月曜日に変更になりました。現在、9月15日は老人福祉法によって「老人の日」と定められています。日付を変更することに反対の声があがったからだそうです。老人の日は「老人福祉への理解や関心を高めること」と「社会を生きる人々が協力して助け合い、老人が自ら生活の向上を努めること」を目的とされています。老人が社会の多数を占めるようになると意義は変わるかもしれません。
老人は昔はお年寄りという警護的な表現もありましたが、今や高齢者やシニアと言い換えるようになり、高齢者も前期と後期に分けられるようになったのは平均寿命が長くなったこともあるでしょうが、老人人口が増えて年金問題だけでなく交通事故や労働人口の問題もでてきたからに他なりません。そもそも昔は還暦を過ぎると年寄りとされ、「村の渡しの船頭さんは今年六十のおじいさん」という童謡のように六十が区切りとされ、会社の定年も六十歳が基本になっていました。
老人は英語にすると昔はold menでしたが今はold personsとかold peopleといいます。Oldについても昔はelder とかolderという比較級による婉曲用法がありolder generationのような用法も普通でしたが、今は婉曲用法はほぼなくなりました。今でも残っているのはthe agedという表現で日本語の年寄りとニュアンスが似ています。歳がageなのですが、ageは動詞もあり「歳をとる、熟成する」という意味です。アンチエイジングunti-agingというのは日本で流行っています。日本語で歳をとるのは動物だけですが、英語のageは酒などの熟成も意味します。
老人学はgerontologyといいますが、語源のgeronはギリシア語で老人を意味しています。老人になると発症する老人性認知症はsenile dementiaといいます。カタカナでかくとシーナイル・ディメンシアです。医学用語は難しく漢字で書く日本語の方がはるかに意味がわかりやすいです。英語のsenileは比較級も最上級もある形容詞ですが、英米人もよく知らない専門用語で、意味は耄碌(もうろく)したということで、日本語も難しいといえば難しいです。老人医学となるとさらに難しくgeriatricsといいます。老人学と老人医学は別なので独立行政法人国立長寿医療研究センターの英訳はResearch Institute, National Center for Geriatrics and Gerontologyとなっています。よほどの英語通でないかぎり何の研究所だかわかりませんね。
高齢化社会問題は日本より深刻な国がいくつもあります。労働人口の減少は深刻ですが、機械化がどこまで対応できるか、移民頼りでよいか、喫緊の課題です。
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