空き家問題

空家等対策に関する特別措置法が2015(平成27)年5月26日に全面施行されました。正式には平成二十六年法律第百二十七号「空家等対策の推進に関する特別措置法」といいます。この法律は2023年12月13日に施行された空き家対策特別措置法により改正されました。この改正は、空き家の管理責任を強化し、地域の生活環境を保護することを目的としています。
改正の背景として、空き家問題は、近年の人口減少や高齢化の進展に伴い、深刻な社会問題となっています。2023年時点での空き家総数は900万戸に達し、特に「その他の空き家」が増加しています。このような状況を受けて、空き家対策特別措置法が改正されました。総務省の調査によれば空家数はこの20年で576万戸から849万戸(約1.5倍)に増加し、長期にわたって不在の住宅(その他の空き家)も349万戸と倍近くに増えています。(https://www.fudosan-otomo.com/2024akiya/)一方では、人口統計においては、2008年が人口ピークであり、下降の一方を辿っています。どのように空家になるのかという問題は、国土交通省の調査では、取得経緯が相続が最も多いことがわかっています。つまり空き家問題も人口減少の影響ということがいえます。
とくに最近、何かと話題になるのが、特定空き家です。この法律の第二条の2で、「この法律において「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。」と定義されています。近隣にも大きな影響を与える存在となり、デメリットが存在することが社会問題になっています。影響としては、倒壊や破損の危険だけでなく、動物が住みついたり、不法侵入者や放火、そして雑草が生い茂ったり、不法投棄の対象になることもあります。こうした社会問題に対し、空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律が令和5年12月13日に施行され、所有者責務が強化されました。この特定空家に指定され、自治体から改善の勧告を受けると、住宅用地の特例措置が解除され固定資産税の優遇のメリットがなくなってしまいます。しかし、この特定空家になってからの対応には限界がありました。
今回の法改正では、特定空家化することを未然に防ぐために管理不全空家という枠組みが設けられました。そこでは①活用拡大、②管理の確保、③特定空家の除却等で、①は「空家等活用促進区域」を創設し、用途変更や建替えを促進するというものです。中心市街地、地域再生拠点、観光振興を図る区域等です。②は特定空家を防ぐために管理不全空家という枠組みが設けられました。この管理不全空家に対して市区町村が指導・勧告できるようになりました。③は緊急代執行制度が創設されました。通常の代執行は、本来所有者が解体すべき空家を、行政が適切な手続きを踏んで、強制的に必要な対策をとるというものです。行政が解体し費用は直接の所有者に請求されます。
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