彼岸の入り



今年は9月23日が秋分の日で旧暦の葉月二十八日です。その前後3日間を含めた1週間が彼岸ですから、9月20日が彼岸の入り、26日が彼岸の明け、23日を中日と呼びます。この1週間を仏教では彼岸会(ひがんえ)といい仏事が行われます。彼岸の意味や習慣は当日にご紹介するとして、改めて旧暦と新暦の違いを説明しておきます。
まず現在広く使われているのはグレゴリオ暦といいます。これは太陽の運行を中心においているので太陽暦です。それに対し明治5年に廃止されたのが旧暦ですが、何度も改訂されてきたので改暦直前の暦を天保暦といいます。これは太陽と月の運行を中心においているので太陽太陰暦あるいは陰暦といいます。1年が365日なのは誰でも知っていますが、これは地球が太陽の周りを1周するのを公転とよびそれを1年とする、と理科の時間に習います。そういう動画や模型を見たことがあると思います。しかしピッタリと365日ではなく、年により若干の差がありますが計算上365.242190402日となっています。公転方向は反時計回りです。さらに地球は自転していますが、その周期つまり1日は24時間とされていますが、厳密には23時間56分4秒です。そして太陽も自転しています。自転周期は25.38日とされています。地球の自転も太陽の自転も反時計回りで、地球の公転も反時計回りというのが事実です。なかなかイメージしにくいかもしれませんが、フィギアスケート選手が回転しながら円を描いているような感じで、それを円の中心で撮っているカメラマンもクルクル回っているような感じです。もし選手の顔を撮ろうとすればかなり大変でしょう。つまり1日も1年も一瞬でしかないのです。
さて月ですが、月も自転しており周期は約27.3日で地球の周りを同じ周期で公転しています。それでいつも月は同じ面を地球に向けているわけです。言い換えると地球上の見る場所によって見る面が違っています。これは偶然の現象ではなく、潮汐力の結果だろうと物理学では考えています。太陽太陰暦では月の公転を1ヵ月としているのですが1ヵ月を30日としているため、現実にはずれてきます。それだけでなく、1年を12ヶ月としたため360日となりざっくりとして5日のズレがでてきます。6年たつと1ヵ月分のズレがでるので閏月(うるうづき)で調整しているのが太陽太陰暦です。昔はそれでもそれほど大きな生活に不便はなかったようです。むしろ月の満ち欠けが正確にわかる方が漁業や出産には都合がよかったわけです。1週間が7日というのは太陽や月とはまったく関係のないキリスト教の聖書の思想が反映しています。旧暦では1ヵ月を10日に分けて旬(じゅん)とし、初旬、中旬、下旬にもそれぞれ名前をつけていました。季節感のある名前なので時々ご紹介してきました。

太陽と月

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