ビルダーバーグ会議


コラム挿絵:ビルダーバーグ会議のイメージ画像

ビルダーバーグ会議は、1954年から毎年1回、北米や欧州の各地で開催される会合です。第1回会議が1954年5月29日にオランダヘルダーラント州レンクムのオーステルベーク(Oosterbeek)にあるビルダーバーグホテル(the Hotel de Bilderberg)で開かれました。第1回会議は、3日間の予定で毎日1回3時間の会議を2回計6回開くスケジュールが予定され、会議内の公用語は英語とフランス語が指定されました。この「陰のサミット」の存在は日本ではほとんど知られていませんが、それはマスコミ報道がないためでもあります。この会議は毎年1回、世界的影響力を持つ人物や企業、機関の代表が130-150人ほど集まり、世界の重要問題や今後の主に政治経済や社会等を主なテーマに完全非公開で討議する秘密会議です。似たような感じの「ダボス会議」は時々報道されるのに対し、こちらは報道されません。
会議は、チャタムハウスルールの下に行われ、ビルダーバーグ・クラブ、ビルダーバーグ・グループ、ビルダーバーグ・ソサエティとも呼ばれることもあるそうです。参加者があまりにも世界的影響力のある有力者や著名人ばかりなので、「影の世界政府」「世界の行く末を決める会議」とも言われています。チャタムハウスルールというのは「チャタムハウスルール(英: the Chatham House Rule)は、議論の開放性を高め、かつ物議を醸すトピックに関する討論とパネルディスカッションの開催に役立つものとして考案された規範。会議に参加する人は誰でもディスカッションの情報を自由に使用できるとし、ただし特定のコメントをした人を明らかにすることはしないと規定する。」(wikipedia)ということで、できるだけオープンな議論を保証するための規範です。
ビルダーバーグ会議の出席者のおよそ2/3が多国籍企業ないし多国籍金融機関の経営者、国際メディア、およそ1/3が各国の政治家と言われています。毎年、アメリカから30人、欧州各国から80人、国際機関(国連や国際通貨基金)などから10人とも言われていて、著名な大企業であっても自薦では参加者を送ることが出来ないと言われています。アメリカのCIAやNSAの長官、アメリカ軍統合参謀本部議長等が参加しています。非欧米諸国からの出席者は少ないのですが、当初は、ヨーロッパと北米間の対話促進を会議の目的として開催されたことによります。NATOと似た感じです。しかし、グローバル化を推し進めて行くに従い、多様な国やメンバーを招待するようになってはいましたが、欧米以外の地域からの参加者は、イラン、イラク、ニュージーランド、イスラエル、パキスタン、ベネズエラ等の国籍が確認されています。2011年のスイス・サンモリッツでの会議には中国から当時の外務次官傅瑩が参加しましたし、2009年にアテネで開かれた会議には、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が参加しました。日本人や日本関係の招待は、表向きは、天皇、皇族、政財界及び企業を含め、今まで一度も招待も確認もされていないようです。それが日本で報道されない理由1つかもしれません。しかしこうした大規模な国際会議に日本が呼ばれない、というのも日本の立場がわかります。

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