ゴミゼロの日


コラム挿絵:ごみ置き場に出されたごみのイラスト

5月30日は語呂合わせで「ゴミゼロの日」です。
ゴミは資源という考え方が最近は広がってきました。捨ててしまえばゴミですが、資源として再利用という考え方は、昔の日本には普通にありました。例えば、米は白米として食べるだけでなく、精米段階で出る糠(ぬか)は漬物床にしたり、タケノコを茹でる時に使います。石鹸の代わりにしたり、米不足の時は団子にして食べることもありました。玄米にする時に出る籾(もみ)は、籾殻として、籾殻は肥料、飼料、燃料、土壌改良材など、さまざまな方法で再利用できます。籾殻自体には栄養素がほとんど含まれていませんが、米ぬかや鶏糞と混ぜることで微生物の活動を促進し、土壌の健康を改善する効果があります。 家畜の飼料・敷料: 籾殻は家畜の飼料や敷料としても利用されており、特に牛舎の敷材として活用されています。これにより、廃棄物の処理が容易になります。 籾殻は再生可能エネルギーの燃料としても利用されており、特に「モミガライト」として固形燃料に加工されることがあります。 籾殻を土に混ぜ込むことで通気性を改善し、水はけを良くする効果があります。また、保水性も向上させるため、作物の生育に役立ちます。 そして、籾殻を炭化させた「くん炭」は、土壌改良材として使用され、酸性土壌の中和にも役立ちます。 籾殻から作られる活性炭は、水や空気の浄化に利用されることが期待されています。 最近、籾殻はマルチング材としても利用され、雑草抑制や土壌の温度管理に役立ちます。 稲を籾にする時には稲藁(いなわら)が残ります。藁の使い道も多く、敷きわらとして畑に利用します。わら焼きにして肥料にしたり、、編んでお正月飾りにしますし、昔はわら草履も作りました。縄も作りましたし、ムシロにもしました。また、納豆を作るのに藁を用いますし、堆肥や動物の肥料にもなります。今は少なくなりましたが、畳床にも使いました。稲藁ではありませんが、麦藁で帽子にした麦藁帽子もありました。昔は稲藁で簾(すだれ)を作ることもありました。
米はあますことなく、すべて再利用されてきたのが日本の文化です。米だけでなく、野菜の皮も漬物や肥料にしたり、家畜の糞もすべて肥料にします。ゴミが出るようになったのは、都会の生活になってきたことを関係があります。とくにプラスチック製品が出回るようになってから、顕著になってきました。プラスチック類は便利かもしれませんが、燃料にはなりにくく、再利用にはかなりコストがかかるのが難点です。そしてマイクロプラスチックは海洋汚染として社会問題になっています。米や野菜のような自然由来のものはすべて再利用できるのですが、石油由来の化合物は自然に還元できないので、ゴミになってしまいます。同じ人工物でも金属類はほぼ再利用ができます。そして還元できない人工物の1つに原子力発電の核燃料のゴミです。プルトニウムは原子爆弾の原料にはなりますが、再利用といえるかどうか。むしろ放置できないので、後処理に莫大な費用がかかります。こうしたゴミ処理過程を考えると、高度な技術が使われているものほど再利用がしにくい、という結果がわかります。

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