吃音stutter
10月22日は国際吃音啓発の日(こくさいきつおんけいはつのひ) International Stuttering Awareness Day(ISAD)です。1998年に国際吃音者連盟・国際流暢性学会などによって定められました。吃音者は世界に数百万人いるとされています。吃音とはいわゆる「どもり」のことですが、差別的ニュアンスがあるということで現在は使用されないことになっています。どもりに限らず、障害を表すヤマト言葉はことごとく排斥され、漢字ときには英語に置き換えられてきましたが、それで理解が進んだかというとそうではないのが実情です。おし、つんぼ、めくら、いざり、ぼけ、などのかたわを障害と言い換えてきています。「言ってはいけない雰囲気」に押されて遠ざけられているだけにもみえます。英語のawarenessは「知ること、気が付くこと」なのですが、これらの障害は昔から知られてきています。「理解する」とはかなり内容が異なります。余計なことかもしれませんが、英語のstutterも吃音も当人には発音しにくい、どもりやすい単語なのですが、命名した人は気づいているでしょうか。
吃音症は医学用語としてdisfluency, dysfluency, dysphemiaといいますが、いずれも「流暢に話せない」という意味です。Wikipediaでも「吃音(きつおん、英: stuttering,stammering)とは、言葉が円滑に話せない、スムーズに言葉が出てこないこと。非流暢発話状態のひとつ」という定義を紹介しています。症状として以下のようなものを紹介しており、一般にどもりとして理解されているよりも広範囲なものになっています。「吃音の言語面での症状を大きく分けると以下の3つの型となり、これらは吃音の核となる症状と考えられている。①連声型(連発、連続型)発声が「お、お、おは、おはようございます」などと、ある言葉を連続して発声する状態。②伸発「おーーーはようございます」と、語頭の音が引き伸ばされる状態。③無声型(難発、無音型)
「……お(無音)」となり、最初の言葉から後ろが続かない状態。」としています。②や③は障害がなくても、時々ある現象でもあります。また随伴症状として「瞬き、体をこする、手足を振るなど、吃音状態を脱するために試みる動作が定着したもの」を紹介していますが、必ずしも吃音特有とはいえないものも含まれています。
吃音の原因は未だ全容が解明されておらず、痙攣性発声障害の場合もあって、すべてが心理的原因とはいえないようです。現在、遺伝子解析や脳科学など、さまざまな観点から原因の研究が進められています。
吃音は健康保険の対象であることは知られていません。しかしいろいろハードルがあります。さらに発達障害者と同様に吃音児者も公的な福祉サービスや支援を受けることができます。吃音で身体障害者手帳を取得しているケースもあるそうです。
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