立冬



11月7日は旧暦神無月十四日で二十四節気の立冬です。二十四節気は特定の日が指定されているわけではなく、一年を春夏秋冬の四つの季節に分け、さらにそれぞれを六つに分けたものです。旧暦の閏月を設ける基準となっていて、中気のない月を閏月としていました。節気は節と気(中気ともいいます)が交互にきますが、その中気がない月に閏月を指定するわけです。旧暦でいえば立冬が節、次の小雪が気です。月の運行(黄道)を元に計算できるので、今年は閏月がありませんが来年閏二月があります。
立冬も特定の日ではなく、約15日間で今年は11月7日から 11月21日です。天気予報では特定の日を指すような説明ですが、そういう習慣もありますが、本来は期間を指しています。立冬の期間は三つの候に分けられます。
初侯:山茶始開(つばきはじめてひらく):山茶花(さざんか)の花が咲き始める頃です。昔からサザンカとツバキはよく混同されてきたため、「山茶始開」と書いて、「つばきはじめてひらく」と読まれました。もともと山茶花はツバキを指していましたが、混同され、サザンカの名称として定着したといわれています。
次侯:地始凍(ちはじめてこおる):大地が凍り始める頃。地中の水分が凍ってできる霜柱がみられるようになります。舗装が多くなり、霜柱をみる機会も減りましたが、サクサクと霜柱を踏みしめる感触が楽しめる季節になります。
末侯:金盞香(きんせんかさく):スイセンの花が咲く頃です。スイセンは「水仙」と書きキンセンカという別の花もありますが、ここでいう金盞は金の盃(さかづき)という意味で、花の内側の黄色い部分を金の盃に見立ててスイセンを指しています。
亥の子の日もこの時期です。本来は旧暦10月の最初の亥の日ですが、今は11月の第一亥の日で2022年は11月6日になります。亥の子の日に「こたつ開き」や「炉開き」(火を使うこたつや炉を使い始めること)をすると火事にならないと言われてきました。現在は火を使うこたつではありませんが、暖房器具を準備する時期です。
立冬は季節の変わり目ですから、風邪を引きやすい時期です。栄養と睡眠をたっぷりとりましょう。この時期は果物も野菜も豊富な時期です。鍋などもいいですね。
中国では立冬に餃子を食べる風習もあるそうです。寒くて耳が落ちるそうになるので、形が似ている餃子を食べるとか。中国の餃子は茹でるか蒸すかで、焼き餃子は日本食です。最近は海外でも焼き餃子が人気のようで、日本で餃子の味に感動して地元で専門店を開く人もいるようです。オリンピックでも冷凍餃子を焼いただけのものが人気だったみたいです。日本の餃子は中国とは違い、餡にチーズなどいろいろな具が入ります。日本的進化ですが、それもまた善しです。

立冬

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