聖バルバラ祭
12月4日の聖バルバラ祭は日本ではなじみがないですが、東欧ではクリスマス前の楽しみです。ウクライナでは今年はどうなるかわからないですが、砲兵の守護神なのでしめやかにミサが行われるかもしれません。すっかり有名になったザポリージアの鉄鉱石坑の地下840mには聖バルバラ聖堂があるそうです。ウクライナの宗教は正教会信者が7割と最も多く、正教会は原則、各国ごとに教会を置くのですが、かつてはモスクワ総主教庁系であったのが、2018年のウクライナ紛争をきっかけにウクライナ正教に分離しました。ウクライナ紛争は2014年からたびたび起こっています。宗教関係はもう少し複雑ですが、聖バルバラは正教会系では広く信仰されています。
聖バルバラは美人の殉教者としての伝説があり、若い女性に人気だそうです。12月4日にスミミ桜や杏子の枝などを折って、花瓶の水に挿しておくという昔からの習慣があり、クリスマス期間の20日間で枝の花が咲くと良いことがあるそうです。クリスマスの日に美しく咲いた枝はイエス・キリストの光のシンボルで、冬至の意味も含まれているそうです。12月4日から枝の花が咲いた日までの日数により何月が幸福な時期になるか分かるという占いもあります。花が咲いたら来年中に結婚するともされ、もし何人も好きな人がいたなら、枝に恋した男の名前をつけておけば、誰の枝が一番先に咲いたかで結婚相手が決まるとか。(http://www.roboraion.cz/articles/122013/)この習慣はドイツにもあるそうで、この枝をバルバラの枝というそうです。
南仏プロヴァンスではノエル(クリスマス)の季節は12月4日の聖バルバラの日から翌年の2月2日の蝋燭祝別の日まで40日間続きます。プロヴァンス地方ではこの日に何皿か受け皿を用意し、水に浸したコケやガーゼなどに麦の種をまきます。12月25日に、このお皿の上で種が芽を出し緑一杯のお皿になっていれば、その年は豊作になるだろうという占いです。(https://www.arukikata.co.jp/web/article/item/2138965/)この麦をバルバラの麦というそうです。
カトリックはバルバラを伝説に過ぎないとして聖人から削除していて、カトリックに近い正教会派や西方教会では12月4日は生神女進堂祭(しょうしんじょしんどうさい)または聖母進堂祭といい、聖母マリアが3歳の時、エルサレム神殿に入ったことを記念しています。
カリフォルニアのサンタ・バーバラという高級住宅街の地名は聖バルバラの英名です。
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