大安満月
2月17日は大安で満月、そして辛丑の吉日です。金運アップの日だそうですから、財布を新調したり、銀行口座を開設したり、会社を設立したりするのに最適の日です。宝くじを買うと当たるかもしれません。縁起をかつぐなら、正にピッタリの日です。
大安とは六曜の中の吉日で、六曜とは大安、赤口、先勝、友引、先負、仏滅が順に巡ってくる暦の一つで、今でも結婚式や葬式などでは重要視する人が多いようです。旧暦があまり利用されなくなったのに比べ、科学的根拠はさらに薄い占いのようなものなのですが、今日でも残っているのは不思議です。
六曜の起源を調べてみても、どれも曖昧で古代中国から鎌倉時代らしいが、盛んになったのは江戸時代からのようです。暦に注記されているので暦注といいます。それぞれの意味もいろいろな解釈があるようです。
最初の先勝は読み方もセンショウ、センカチ、サキガチなどいろいろあります。意味は午前中が吉ということらしいです。急用や訴訟など急ぐことは午前中に済ましなさい、ということのようです。友引は元は共引きでどっちともいえない、勝負がつかない、ということだったのが、陰陽道の災いが友に及ぶという思想と混ざって、葬式を避ける、ということになったようです。なので結婚式に友を呼ぶというのは後付けのようです。先負は先勝の反対で、午後が吉日。ただし急用や訴訟などはせず平穏に過ごしなさい、という日だそうです。仏滅は仏が滅する、つまり仏陀が入滅したと解釈されることもあるが、これは間違い。昔は物滅と書き、万物が滅するのでむなしい日ということであったそうです。結局は凶日なので、何事もしないのがいい、とされているのですが、葬儀だけはいい、という解釈になっています。解釈によっては元の物滅の意味から一旦すべてがクリアされるのだから、ここから始めるのがいい、というのもあるそうで、正に解釈次第ということです。赤口はシャッコウ、シャック、セキグチと読まれ、午の刻つまり正午前後なら吉ですが、それ以外は凶です。なぜ赤なのかも諸説ありますが、陰陽道の赤舌日という説が有力のようです。赤舌日(しゃくぜつにち)とは羅刹(らせつ)という鬼が支配する日であり、凶日とされています。この日は赤が連想させる火事や血を連想させる刃物の怪我に注意せよ、という日だそうです。大安の元は泰安で、何事にも良い吉日です。
六曜信仰は昔から根拠が薄いので信じるなという人が多かったようで、明治以降はとくに迷信として禁じる方針が立てられましたが、こういう意味が曖昧で論理も曖昧で根拠の薄いものほど長く残ってしまうようです。非科学的信仰の典型例で正に迷信なのですが、現代でも気にする人がいるのは科学が万能ではないことを示しているのかもしれません。
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