May Day
5月1日はメーデーです。メーデーというと日本では労働者の祭典というのが一般的ですが、本来のMay Dayは五月祭のことで日本でいう立夏と同じ意味です。欧州は緯度が高いので日本から見ると冬が長く、夏も涼しいということになります。夏が良い季節なのでその始まりという今でも各地で祭りがあります。五月祭は古くはローマ神話の花の女神フローラの祭りフロラリアと呼ばれ、ユリウス暦4月27日から5月3日にかけてディオニソスとアフロディーテを祝うマイウマの期間に行われていました。ににあやがてそれはで女神に供え物をして豊かな実りを願いことでした。5月1日の所が多いのですが、5月の最初の月曜日という地域もあるようです。イギリスでは、五月祭にはMaypoleと呼ばれる柱を立てて、そのまわりで踊ったり、アメリカではMayfairという農業市があったりします。五月の女王(メイクイーン)を選んだりいろいろな催し物もあったのですが、近年はメイバスケットと呼ばれる籠の中にお菓子などを入れて近所に配るプレゼントに代わってきています。日本にはまだこの習慣は入ってきていないので菓子メーカーは狙っているかもしれません。
じゃがいものメイクイーンは、この五月祭のメイクイーンからつけられたということですが、日本いも類研究会によると「イギリスのチェルテンハムに近いベンサム(Bentham)で、E. Sadlerという人が栽培していたものを、1900年にサットン父子商会が世間に紹介したもので、両親は不明である。品種名は、中世の春の村祭り(メーデー)の際、村の娘の中から選ばれる女王にちなんだものである。(中略)わが国への導入については、大正初期に米国から輸入され、(中略)収量性も特に優れておらず、病害虫にも弱いなど、栽培しやすい品種とはいえないため、今日のイギリスでは省みられない品種である。」とあります。これも日本で開発された農業製品なのですね。男爵というのもありますが、これも川田龍吉男爵にちなんでつけられた名前です。元は米国原産らしいですが、サットン父子商会から買い付けたそうです。男爵とか女王とか高貴な名前がついている割にイモ扱いされています。
メイクイーンという韓国ドラマもあるそうですが見たことがないのでスルーします。
メーデーが労働者の祭典になったのは1886年アメリカのシカゴにあるヘイマーケット・スクエアで起きた爆弾騒ぎにまで発展したストライキを記念して第二次インターナショナルの社会主義者や左翼勢力がこの日を選んだことが起源であり、それが世界の労働者のとなったことで、今でも左翼的色彩が強いのはそのためでもあります。
もう1つメーデーには遭難信号という意味もあります。これは無線電話で遭難信号を発信する時の緊急用コードで、英語ではなくフランス語のvenez m'aiderに由来し、「助けに来て」ということです。「メーデー」という発音は雑音が強い状況でも比較的聞き取りやすいとされ3回繰り返すことになっています。
5月1日は旧暦卯月朔日で今月もちょうど1ヵ月ずれたままです。稲を植える月という意味の「植月(うゑつき)」「種月(うづき)」が転じたとか、一年の最初を意味する「初」「産」の「う」から「卯月」になったという説があります。
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