冬土用の未(ひつじ)の日
土用とは、「土旺用事」の略で陰陽五行説が由来となっています。陰陽五行説は中国が発祥の自然哲学の思想で、万物は火、水、木、金、土の5つから成るという考え方で、字を見るとわかるように曜日もこれにより配分されています。これに陰陽が配置され、日が太陽、月が太陰で、火が中陽、水が中陰、木が小陽、金が小陰、土は陰陽なしとしています。つまり曜日は陽の日の次は陰の日で、大小が続くことでバランスがとれています。
季節もこの5つに分けたいところなのですが四季は4つです。そこで春は木、夏は火、秋は金、冬は水を割り当てました。自然のイメージにもほぼ合っています。土用はそれぞれの季節の前に置き、陰陽なしとしています。
日付の割り当て方は、一年を4で割ると一つの季節が約91日です。一年を5で割ると約73日、91日から73日を引くと18日となり、土用は各季節に18日間ということになります。
土用の期間中は土を司る土公神(どくしん)が支配しており、土を掘り起こすなどすると怒ってしまうと言われています。家を建てる時の基礎工事では土を掘り起こすため、今でも土用の期間中は基礎工事を避ける建設業者も多いそうです。土公神は季節によっている場所が違い、春は竈(かまど)、夏は門、秋は井戸、冬は庭となっています。冬は庭の手入れなどは避けた方がよいと言われています。土用は古い季節から新しい季節に変わる節目の時期のため、引っ越しや結婚などは行わず、じっとしている方がよいとされています。土用は一年に4回もあり、その間できないことがあると不便です。そこで土用には「間日(まび)」という土公神が天界へと帰る日があるため、土いじりなどを行ってもよいとされています。間日は春土用、夏土用、秋土用、冬土用で異なり、春土用の間日は巳、午、酉の日、夏土用の間日は卯、辰、申の日、秋土用の間日は未、酉、亥の日、冬土用の間日は卯、巳、寅の日となっています。(参考https://sk-imedia.com/)
夏土用の丑の日だけが有名ですが、春は戌(いぬ)、秋は辰(たつ)、冬は未(ひつじ)の日が大切な日で、それぞれイ、ウ、タ、ヒの付く食べ物を食べるとよいとされています。なぜ戌、丑、辰、未かというと、十二支を陰陽と五行に当てはめて、亥と子が水、次の丑が土、と当てはめていくと丑、辰、未、戌が土に該当します。冬土用の未の日にヒの付く食べ物というのはそれなりに理屈があるのです。
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