世界電気通信および情報社会の日



1973年5月17日国際電気通信連合(ITU)が「世界電気通信の日(World Telecommunication Day)」を制定しました。1865年のこの日にITUの前身である万国電信連合が発足したことを記念したものです。2005年11月国連総会の会期中に開かれた世界情報通信サミットにおいて世界電気通信の日と同じを「世界情報社会の日(World Information Society Day)」とすることが決議され、国連総会で採択されました。翌2006年ITU全権大使会議において、2つの国際デーをあわせて「世界電気通信および情報社会の日」とすることが決議され、今日に至っています。

昔は電気通信は工学的な意味だけでしたが、現在では電気通信によって伝送される情報の重要性が高まってきており、情報通信と電気通信の境目が薄れてきているので統合されました。電気通信には大まかに分類して有線通信と無線通信がありますが、近年は無線通信が圧倒的に増えてきました。有線通信は安定度も高いのですが、信号を分岐する際にいろいろな装置が必要なことと、ケーブルが邪魔になります。無線通信はそうしたデメリットがないので普及していますが、問題は電波には限りがあることです。また距離が遠くなると電波が不安定になり届きにくくなります。有線でも同じですが、安定度と力はかなり違います。有線だとつないだ両端以外には信号が行かないので情報が盗まれる危険性は低いのですが、電波には両端がなく空中に拡散するため、当事者以外が容易に信号をとれるという弱点があります。そのため電波の割り当てという作業が必要で国家が管理しており、発信には認可が必要です。それで無線免許という制度があります。現在の放送はケーブルテレビを除き、無線電波によって成立していますから、政府の認証を得て放送しています。商業放送の場合は認証だけでなく使用料が課せられます。現在、その使用料を巡っての論争があるのですが、既得権益の問題もあり、なかなか議論が先に進んでいないようです。とくに放送法の改定にはNHKの受信料問題があって、技術的問題よりも政治的問題が障害になっています。

5月17日は世界高血圧デーつまり高血圧の日でもあります。日本では2007年から「高血圧の日」として実施されています。高血圧は今や多くの人が悩んでいる病気です。どこから高血圧と診断することは意外なことに国によって異なります。年齢や性別によっても異なります。血圧には上と下があり正常値は上が120-129、下が80以下というのが日本の基準です。高血圧にも段階があります。アメリカのCDCは正常値を120/80 mmHgとしており、意外なことに日本よりやや低いのです。しかし2017年以降のガイドラインは日本と同じです。

国際反ホモフォビアの日という聞きなれない記念日もあります。フランスの同性愛者活動家ルイ=ジョルジュ・タンが2005年に提唱したもので、1990年世界保健機関が同性愛を国際疾病分類から除外したことを記念しています。英名はInternational Day Against Homophobia, Transphobia and Biphobiaといい、LGBTの権利の侵害に対する認識を広め、関心を高めることを目的とした記念日です。Phobiaとは恐怖症のことで、高所恐怖症など多くの症状があります。日本人の外国人恐怖症もxenophobiaといいゼノフォビアあるいはクセノフォビアと発音されます。「反」とついていますから、LGBTを怖がってはいけない、という意味です。

生命・きずなの日でもあり、臓器提供したドナーの家族で作る「日本ドナー家族クラブ」が2002年に制定されました。5月は新緑の候で生命の萌え立つ季節であり、17日は十(とお)七(なな)で「ドナー」の語呂合せだそうです。こちらも大切な記念日です。

情報通信

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