あんパン
日本では普通にみかけるあんぱんですが、海外で食べようとするとなかなか見つけられない日本食品です。寿司、ラーメンは世界中に普及していますし、昔は少なかったトンカツ、ギョーザも大都市なら食べられるようになりました。最近はうどんも増えてきましたが、今でも蕎麦は少なく、菓子パンや総菜パンはほぼみかけません。海外生活の中で、どうしても焼きそばパンを食べたくなったら、カップ焼きそばを買ってきて、細長いパンズに挟めば焼きそばパンは似たようなものが作れます。しかしあんパンは意外に自作が難しいです。ロスアンジェルスのように日本人が多く住んでいる地域の日本人経営のパン屋にはあんパンなどは売っています。しかし日本人以外は買わないようです。そもそもアンコが馴染みが薄いのです。
あんパンを創案した銀座木村屋総本店のサイトによると(https://www.kimuraya-sohonten.co.jp/ec/2013anpan)「明治8年(1875)4月4日、あんぱんを明治天皇へ献上することになりました。天皇両陛下が東京の向島にある水戸藩の下屋敷でお花見をする際、お茶菓子として、お出しするためです。木村親子は、日本を象徴する国花で、季節感を表現できる「桜」に目を向け、奈良の吉野山から、八重桜の花びらの塩漬けを取り寄せ、あんぱんに埋め込んでみました。酒種のパン生地と餡の甘味に桜の塩漬けが絶妙で、この味なら自信を持って献上できると、木村親子は確信しました。そして「桜あんぱん」は、天皇のお口に召されました。陛下は大変気に入り、ことのほか皇后陛下のお口に合い、「引き続き納めるように」という両陛下のお言葉を戴くこととなりました。以来、店頭のあんぱんにも桜の塩漬けがへそ押しされ、「桜あんぱん」がお目見えしました。このことから明治天皇に献上された4月4日は「あんぱんの日」として記念日に認定されています。」と由来が紹介されています。つまりは桜の花見のお菓子として創案されたのです。あんパン以外にもジャム(日本では苺ジャムのみ)パンやクリームパンなどが次々に作られ、カレーや焼きそば、コロッケなどの総菜も入れられるようになったのですが、海外だと茹でたソーセージを挟んだホットドッグや細長いパンにBLTなどの野菜やチーズを挟みこんだサブマリンサンドイッチなどがありますが、日本のようにどこのパン屋でも普通に売っている国はないと思われます。コンビニにも必ず売っていますし、災害時の非常食としてもポピュラーなものです。案外知られていませんが、日本独自の文化といえます。文化というのは当人にとっては日常的で当たり前ですが、よその人から見ると不思議に思えるものが多いのです。人気キャラクタのアンパンマンも外国からすると不思議な存在です。あんパンの日はそういう日本文化を改めて考えるのによい日かもしれません。
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