図書館
「昭和25年4月30日、画期的な文化立法である図書館法が公布され、それを契機として日本の図書館活動は新しく生まれ変わりました。サービスとしての公共図書館の機能が明らかにされ、無料原則がうちたてられ、わが国は、真の意味での近代的な公共図書館の時代をむかえたのです。日本図書館協会は、今日の図書館発展の基盤となった図書館法公布の日を記念して、4月30日を「図書館記念日」とすることにいたしました。」(https://www.jla.or.jp/library/kinenbiより)
図書館という名称は英語のlibraryの訳語として明治時代に創作されたものです。当時はいろいろな外国語が漢訳され、和製漢語として普及しました。それ以前は、文庫、書庫、書府、経蔵や書籍館(しょじゃくかん)などと呼ばれていました。近代的な欧米の図書館制度を日本に最初に紹介したのは福沢諭吉で、幕末に渡欧した福沢は、著書『西洋事情』の中で大英博物館図書室をはじめ、諸外国の納本制度を報告しており、多くの訳語を作ったので、図書館の訳語を創作したのも福沢と考えられます。
国立国会図書館は国会法第130条および国立国会図書館法第1条により設置された立法府(国会)に所属する国の機関です。また、納本制度に基づいて、日本国内で出版されたすべての出版物を収集・保存する日本唯一の法定納本図書館です。つまり出版物はすべて国会図書館に納本する義務があるのです。
国立国会図書館デジタルコレクションには「インターネット公開」「図書館・個人送信限定」「国立国会図書館内限定」の3種類の公開範囲のいずれかに設定されているものの、歴史的な貴重書や錦絵の画像、歴史的音源、著作権の保護期間が切れた著作物などはインターネット上で一般に公開されています。国宝「源氏物語絵巻」などがインターネットで見られるわけです。
またWARP(インターネット資料収集保存事業)という事業も行っており、インターネットを通じて公開されていた学術雑誌や、政府省庁などのウェブページそのものを、管理者の許諾を得たうえで国立国会図書館のサーバに保存し、インターネットを通じて一般に公開するもので、CD-ROMのように変更されないようパッケージ化された電子情報と違い、管理者によっていつでも自由に改変することの可能なインターネット上の電子情報(ネットワーク系電子情報)を図書館が紙媒体の資料と同じように収集・整理・保存・公開する実験的な試みです。複写カウンターに申し込んでコピーをとってもらうこともできます。大学や公共図書館は最近蔵書が過剰になり収納できなくなってきて本が見つからないことがありますが、国会図書館から借りだすことができます。NDLSearch(https://iss.ndl.go.jp/)で資料の検索も可能になっています。
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