大暑
7月23日から二十四節気の大暑に入ります。今年の立秋は8月8日なので、前日までの16日間が大暑となります。文字通り一番暑い季節ですが、今年は梅雨の最中から猛暑なので、どうなることやら。二十四節気を三分割した七十二候も美しいです。
初侯:桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)桐の花が実を結び始める頃。桐は4月~5月に釣鐘型で薄紫色の花を咲かせ、花が終わると卵形の固い実がなりはじめます。「桐始結花」は、この実がなる頃という意味です。桐は箪笥や下駄など暮らしの道具に欠かせないもの。昔は、女の子が生れると庭に桐を植え、成長したその桐で嫁入り道具を作りました。500円硬貨の表に描かれているのが桐の花です。花札では桐は最後の12月に当てられていて、鳳凰がセットになっています。発売所などが書かれている札もあります。「ピンからキリ」の語源です。
次侯:土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)土がじっとりとして蒸し暑くなる時期。蒸し暑いことを「溽暑(じょくしょ)」といいます。昔に比べて暑さが増しているのか、2007年以降、最高気温25度以上は「夏日」、30度以上は「真夏日」、35度以上は「猛暑日」と定義され、使われるようになりました。最近は猛暑日も増えて「酷暑」になってきています。
末侯:大雨時行(たいうときどきふる)ときどき大雨が降る頃。夏の雨は大雨になりやすく、むくむくと湧き上がる入道雲が夕立になり、乾いた大地を潤します。大粒の雨は「鉄砲雨」、篠竹を突くように激しく降る雨は「篠突く雨」、滝のようなすさまじい雨は「滝落し」と呼びます。少し前まで予測困難な局所的大雨「ゲリラ豪雨」と呼んでいましたが、最近は線状降水帯という気象用語もあり予測も可能になりました。
大暑は土用に重なります。丑の日のの鰻のみならず、土用餅、土用卵、土用しじみを食べて養生したり、梅や薬草などの土用干しをする習わしもあります。暑気払いをするのにも最適の時期で定番は、冷麦、そうめん、ビール、瓜(西瓜、胡瓜、冬瓜、苦瓜、南瓜)、氷(かき氷、氷菓子、氷料理)、甘酒などです。風鈴、釣りしのぶ、すだれ、よしず、金魚鉢など、五感で感じる昔の夏の涼を取り入れるのもいいですね。
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