白露
白露と聞くと、秋なのだなと思える表現ですね。9月8日は二十四節気15番目の白露です。二十四節気は旧暦でも太陽の運行に合わせているので、新暦でもあまり変わりません。処暑が終わり、白露の次は秋分となり、秋の真っただ中になります。ある意味、秋が実感できる季節です。日中はまだ暑さが残るとはいえ、朝晩は空気も涼しくなり、空の雲が変わります。
初侯 - 草露白し(くさつゆしろし):草の上に降りた朝露が、朝の空気の中で白く見える時期。
次侯 - 鶺鴒鳴く(せきれいなく) 鶺鴒(セキレイ)は、川辺を好む鳥です。鶺鴒は秋の季語でもあります。鶺鴒が鳴きはじめる時期です。
末侯 -玄鳥去る(つばめさる) 春先に日本へ渡ってきて子育てを終えたつばめが、秋になり越冬するために東南アジアのほうへ海を渡っていく時期です。
朝露を見るには早起きでないと、昼前には蒸発してしまいます。早起きは三文の得、朝の空気と朝日を浴びることが健康のポイントだと、マスコミも教えていますが、なかなか実行している人は少ないようです。実行者はほぼ年寄りなので、高齢長寿社会は続くと予想されます。
鶺鴒は最近、あまり見かけません。都会でも雀は増えてきて、東京では鵯(ひよどり)の姿がふえましたが、鴉が少なくなったせいかもしれません。鶺鴒を見かけなくなったのは都会に川がなくなったせいと思われます。川をつぶして道路にしてしまいました。おかげで雨のたびに水害が増えました。文明のしっぺ返しかもしれません。元の泥濘(ぬかるみ)に戻るのは無理かもしれませんが、道路を再掘削して、江戸時代の用水路に戻すことで、自然が戻る、と素人は思います。
燕は都会でもがんばっているようです。巣はあまり見かけませんが、飛んでいる姿は時々、見かけます。渡り鳥たちは近年の鳥インフルエンザの宿主として、嫌われる傾向にありますが、鳥に限らず、家畜、そして人間のインフルエンザの原因であるウイルスは今に始まったことではありません。人類とウイルスや細菌の共存は長いのです。病気の主な原因である細菌そしてウイルスと医学の戦いのおかげで、人類は長寿になりました。しかしその恩恵には格差があり、発展途上国では今も飢餓や病気が増えています。しかし人口比較してみると、健康で長寿の国の人口は減少し、不健康で早世の国の人口は爆発的に増えています。ウイルスの方も、強毒のうちは感染力も比較的低く、感染力が増大するにつれて弱毒化していきます。これは人間もウイルスも生物保存の法則で、自己保全を自然に図っているといえます。病気との闘いはいたちごっこ、ではなく、相互共存関係にあるとみることもできます。共存関係は共栄関係とはかぎりません。Win-winの関係を理想とする世界もありますが、ライバル関係という共存の方がむしろ多いといえます。自然と人間の関係も、災害を含めて、共存関係にあることを実感できる季節でもあります。
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