相互微小伝達2 Interactive Micro Communications


テレビ

大量伝達(マスコミ)は必然的に一方通行の情報伝達になります。その正反対である少量伝達は双方向にすることが容易です。もっとも少量である伝達方法は対面による個人対話と考えられます。これを微小伝達と呼ぼうというのが提案です。英語でいうならmicro communicationです。もし独り言も伝達だ、というなら、単方向の微小伝達もありえますが、伝達とは発信と受信があることが前提なので、独り言は自分が発信者であり受信者であるともいえます。独り言というより自問自答です。おもわずつぶやくこと、無意識に発する「どっこいしょ」などは通常の伝達からははずします。

伝達が伝達媒体(メディア)の発達にともない、量も質も大きく変化しました。粘土板や木簡の時代から、紙へと変化、さらに印刷技法は画期的に変化をもたらしました。キリスト教の宗教革命が印刷術による聖書の普及であったことはよく知られています。電子媒体の出現で、まず電話が普及し、対面ではない微小伝達が可能になりました。電話には時間的制約はあるものの、空間や距離の問題を克服しました。そして電波媒体の登場は無線通信であるうちは微小伝達でしたが、ラジオの出現で、情報量が一気に増え、反比例して方向性が一方的になりました。そしてテレビが発明され、音声だけでなく画像情報も伝達できるようになると情報量の増大は加速しました。ラジオの全盛期は「電話リクエスト」のような番組もあり、電波と電話を併用することで双方向伝達をする利用法もありました。テレビでも同じことが可能ですが、ラジオ時代に比べると、併用は低くなっています。

そしてインターネットの登場です。インターネットinternetは文字通り情報網という双方向かつ多方向の通信を可能にしたものです。これが相互微視伝達です。テレビがラジオの機能を含むことができるように、インターネットはラジオ、テレビの機能を含むだけでなく、印刷媒体の伝達も可能になっています。文字による情報伝達は、昔、一方通行だったものが、今では同時に伝達でき双方向が可能です。実際、スマートフォンのLINEなどは文字や絵を同時に配信できます。最近では動画まで相互配信できるため、微小伝達と大量伝達が相互にできるようになった、という複合的な機能になっています。量と方向が自由になり、時間と空間もコントロールできることは便利な反面、混乱も生じさせます。あまりの情報量の多さから、選択を迫られることになります。なぜなら人間の受信者は一度に1塊の情報しか受容できないからです。情報チャンネルとしては聴覚、視覚、その他を受信できますが、結果的に1個しか認識できません。ここで情報と認識recognitionという新たなテーマがでてくるのです。

現在はSocial Networking ServiceいわゆるSNSが進化しつつある状況です。SNSでは微小から大量、そして少量やら中量やら多様な量と質の情報が氾濫します。受信者の選択も大変です。

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