住吉の潮湯



旧暦6月14日に大阪の住吉神社で「潮湯」という伝統行事があるそうです。正しくは住吉御神輿洗神事(すみよしみこしあらいのしんじ)というのだそうですが、住吉祭に使う御神輿を海水で清めるという神事です。解説によると「住吉大社夏祭はこの神事から始まり、夏越(なごし)祓神事、堺への神輿渡御祭へと続く。七月の「海の日」、住吉公園で神輿を祓い清める式である。南港の沖で汲んだ海水で禊を行う。この汐を浴びると病が治るといわれる。公園中央の汐掛道を通り住吉大社に戻る。」
(https://kigosai.sub.jp/kigo500d/339.htm)今年は海の日とは一致していませんが、旧暦で行われます。一般にはそれほど知られた行事ではないのですが、俳句の世界では晩夏の季語になっています。こうした行事は季節を実感する大切な行事なのですが、明治以降新暦でするようになり、一月早くなってしまいました。つまり新しい伝統ということなのですが、政治は宗教に不介入という原則を破ったものなので、今のうちに旧暦に戻しておかないと、本当の季節感が失われていくでしょう。西暦と元号が併用されているように、新暦と旧暦も併用していくことで伝統が守られると思われます。一見、面倒ですが、実際には暦を見るだけの手間なのです。

ところで新暦7月12日はラジオ本放送の日です。大正14年(1925)東京放送局(現在のNHK)が愛宕山(現在港区)から本放送を開始した日です。本というからには仮があるわけで、仮放送は同年3月22日で第1声は「JOAK、JOAK、ジェー、オーゥ、エーィ、ケーィ、こちらは東京放送局であります。」と読み上げた。「JOAK」とは東京放送局のコールサイン(呼び出し符号)で、無線局の識別ができるようにするためのもの。当時の受信契約数は約3,500件であった。また、1日の放送時間は約5時間、受信料は月額1円であった。(NHKサイト)当時の1円は現在の1,080円だそうですから、今の方がはるかに高いのです。もっともラジオ放送の受信料は今、無料です。NHKではこの3月22日を放送記念日としているそうです。このことが示すようにラジオradioというのは元は無線のことです。おもちゃのラジコンはradio controlの略です。
これは日本の話で、世界的には世界ラジオデーWorld Radio Dayといい1946年2月11日に国連放送が開始されたことを記念してUNESCOが2011年に制定しました。比較的新しいものなのです。「この国際デーは、一般の人々とメディアの間でラジオの重要性についての意識を高めること、意思決定者がラジオを通じて情報へのアクセスを確立し提供することを奨励すること、放送事業者間のネットワーク作りおよび国際協力を強化することを目的としている。」とあり、今問題になっているメディアリテラシーと情報公開、ネットワーク作りが強調されています。世界にはで文字の読めない人が多い(識字率が低い)国が現在もたくさんあります。そして政府が情報公開をしない国が多くあります。テレビやインターネットが当たり前でない国があるわけです。
ラジオは厳密に言うと音声無線通信でラジコンはラジオには該当しません。無線は元々wirelessのことで、電話のような有線wiredが最初の通信技術でした。通信には今でも有線と無線が併用されていますが、安定度は今でも有線の方が安定しています。ただ利便性は無線が圧倒的に便利なので、日常生活に無線技術が多く入り込んできています。今、ラジオ放送のファンが増えてきています。何か理由がありそうです。

住吉大社

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