ようやく師走


サンタクロース

冬至の次の日は新年の元日ということを一昨日書きましたが、今年は旧暦の進みが遅く、新暦12月23日が新月で師走朔日です。正月は一カ月後なので、不思議な感覚になります。こういう暦のズレを不便と感じるか、おもしろいと感じるかは人それぞれです。コラムとしても、本当は一昨日書いた方が適切なのですが、当日分には書ききれなかったので、遅れてご紹介しています。もしこのコラムを25日にご覧になっているならば、今のアメリカはクリスマス・イブです。太平洋の真ん中あたりに日付変更線があって、アメリカと日本は一日の日差があります。このため、新暦でも世界の暦は同じではないのです。世界を統一的に扱うための世界標準時GMTというのがあり、国際的かつ科学的な情報では使われますが、一般社会ではその国ごとの標準時間があり、日本は全国統一の標準時で生活しています。ちなみに東西に長いアメリカでは標準時が4つあります。不便もあると思いますが、慣れているようです。

クリスマスはChrist-masですから、クリスト祭というのが直訳になります。「メリークリスマス」という挨拶も特別な習慣で、他の祭はHappy Easterのようにハッピーがつきますが、クリスマスだけMerryになります。あまり知られていませんが、フランスではJoyeux Noël !(ジョワイユ ノエル)と言います。ノエルがクリスマスの意味です。

Noëlはラテン語のnatalis=「誕生」が語源です。ラテン語の痕跡が残っているイタリア語ではBuon Natale!がクリスマスの挨拶です。ドイツではFrohe Weihnachten! フローエ・ヴァイナハテン! といいます。 frohは楽しい、Weihnachtはクリスマスという意味ですが、語源としては現代ドイツ語の動詞weihen(神聖にする)にあり,「聖なる夜」ということです。以上のようにクリスマスは英語圏の表現で、日本は英語圏の傘下にあることになります。日本語として原義を考えるなら降誕祭ないし降臨祭というのが世界的な標準ということになるでしょう。呼び名、習慣などをひっくるめて、日本はアメリカ文化の影響下にあるものが非常に多いといえますが、それでも独自に発達して宗教色がなくなっているのも日本的といえば日本的です。

もう一つ変化したのが「サンタさん」です。あの赤い服はコカ・コーラの宣伝以降ですし、北の果てに住んでいるらしいお爺さんがどうしてやってくるのでしょう。

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