災害時要援護者


要支援

能登半島震災の報道が連日続いていて、被災者の状況も報道されていますが、なぜか「災害時要援護者ガイドライン」について解説している局が私が見た範囲ですが、どこにもありません。要援護者の対象は障害者や高齢者など、自力の避難が困難な人です。

阪神淡路大震災の後日の調査では、要援護者とされる人の災害罹災率がそうでない人の3倍あったことがわかっています。そして東日本大震災でも同じことが起こりました。今回はどうなのか調査はまだでしょうが、過去の経験に即して、そうした対策が取られたのかどうか報道がないのでまったく知らされていません。動画は倒壊した家屋とか土砂崩れの現場など「インパクトのある画像」のみを繰り返し流しています。これでは「映え」を重視する若者の動画提供者やインフルエンサと変わらない知的レベルです。マスコミはこんな時こそ世間に情報を多く伝えてほしいものです。

東日本大震災の1カ月後に現地調査に同行する機会があり、障害者施設などでお話を聞く機会がありました。障害者のいる家庭は一旦は避難所に行くのですが、障害者は邪魔者扱いされ、車中泊を強いられたり、結局、自宅に戻ったりしていました。そして少し落ち着いて自宅の修復や整理作業が始まると、障害者の面倒を見るのが大変になり、障害者施設の再開を求める人が殺到し、施設の側も職員が罹災していて自分は自宅整理を放棄して出勤しても半分しか確保できず、全国に支援を求めました。そして全国から介護の専門家の支援者がやってきましたが、彼らも自分の職場を離れてくるので1週間が限界でした。そこで毎週、違う地域から交代でやってくるのですが、人員は確保できても、障害者対応には慣れが必要で、ようやく慣れた頃に交代するので、対応も変わってしまい、障害者自身もストレスが大きく、対応が余計難しくなるという事態が起こりました。また預ける側も疲労が大きく、できるだけ長く預かってほしいという要望もあり、デイケアが原則の施設では長時間労働が続き職員の疲労も大変だったそうです。こういう事態は現地で伺うまで知りませんでした。そして現地の要望はできるだけ平常にしたいので、作業のための仕事が欲しいということでした。被災によって内職などが激減し、遊戯などで時間をつぶすには限界がありました。

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