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言語技能測定技術と言語教育理論⑦ 手話の語彙数と文型数新着!!
よくある質問に「手話の単語はいくつくらいあるのですか?」というのがあります。この質問の前提として「手話の単語は少ない」という誤解があります。そもそも言語の単語数つまり語彙というのは「無限」です。単語は次々に生まれていくと同時に死語になって廃れていく語もあります。語は「語形成」というしくみがあって、組み合わせによって、いくらでも作れるようになっています。しかし、「辞書に載っている語」が語彙という誤解・・・
言語技能測定技術と言語教育理論⑥ 試験範囲語彙の階層化新着!!
手話技能検定協会のホームページをみていただくと「初めての方へ」というページに「手話技能検定の級とレベル」が示されています。(https://www.shuwaken.org/first/first.html)そこに「単語数・例文数」が示されています。6級は「単語数:100程度:動きのある指文字(濁音・半濁音など)・数字」となっています。もっとも基本的と思われる手話語彙を100語、選んでいますが、前・・・
言語技能測定技術と言語教育理論⑤ 使用語彙測定技術新着!!
手話技能検定試験のレベルの設定において、「理解語彙と使用語彙」という概念を用いています。下級レベルは理解語彙と簡単な文法が含まれる文型の試験です。理解語彙は上級者になると、個人差や学習経験による差が大きくなり、試験範囲の公開も困難になってきます。そこで、上級者には使用語彙の測定と文法習得を測定する必要があります。これは手話をビデオで提示して、選択肢で回答を得る、という方法では不可能です。受験者に手・・・
言語技能測定技術と言語教育理論④ 理解語彙と使用語彙新着!!
手話技能検定試験のレベルの設定において、「理解語彙と使用語彙」という概念を用いています。たとえば、大阪地方に住んでいる人は普段、「大阪弁」を「使用」します。東京地方に住んでいる人は普段、「大阪弁」は「使用」しませんが、「大阪弁」はほぼわかります。この例でわかるように、人は自分の使う語の何倍もの語が理解できます。そこで自分の使う語群を「使用語彙」、理解できる語群を「理解語彙」と呼びます。母語話者は使・・・
言語技能測定技術と言語教育理論③ 語彙と文法新着!!
手話技能検定試験のレベルはまず、語彙の難易度。そして次が文法です。語学において、まず語彙学習というのは常識的で、この段階までは楽しいのが普通ですが、学習者の誰もがつまづくのが文法です。文法にも難易度があるのですが、手話文法がまだよくわかっていない時代であり、そもそも文法書がないので、語彙のような頻度統計もとれません。しかし、どの手話にも「あいさつ」などは載っており、基本文が紹介されています。そこで・・・
言語技能測定技術と言語教育理論② 試験範囲の公開新着!!
手話技能検定試験は手話の言語的特性に鑑み、他の言語検定とは異なる方法をいくつかとっています。その1つが「試験範囲の公開」です。この方法は手話検定独自の手法なのですが、後発の全国手話検定も同じ手法を採用しているのは、理由が不明です。試験範囲が公開されている、ということは受験者にとって、受験しやすいことが想定されます。なぜこういう手法を採っているかというと、手話検定は高校受験などのような入学試験と違い・・・
立春新着!!
今年は2月3日が二十四節気の1つ、立春になります。前日が節分、つまり節気の分かれ目ということです。節分と立春は時々混同されますが、別の日です。節分や立春の日の決まり方には一定のルールがあります。2021年から2057年までの節分は、西暦年を4で割って余りが1の場合は2月2日、それ以外は2月3日になります。そして立春は節分の翌日になるルールです。2025年は「2025年÷4=506余り1」なので2月・・・
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言語技能測定技術と言語教育理論① 言語変種新着!!
言語使用の技能として、受容技能よりも産出技能の方がむずかしい、ということは英語を習った経験から実感できます。しかし手話学習では、手話をすること(産出)よりも、読み取り(受容)の方がむずかしい、という話をよく聞きます。これはなぜでしょうか。英語教育の場合、文字を用いた「読み」つまり英文解釈と「書き」英作文では、確かに英作文が苦手の人がほとんどです。英会話においても、聞き取り(聴解)と発話を比べると、・・・
手話技能検定の理念と言語技能新着!!
手話技能検定協会の設立時と現在では24年の経過があり、その間に政府の制度はめまぐるしく変わりました。しかし当協会では今も設立以来の理念を守っており、基本技法は変わりません。理念とは、「手話は言語である」という前提で、英語検定や日本語検定があるように、言語としての検定試験が可能である、という思想です。今では「手話が言語である」ことは当たり前のように思われていますが、設立当時は反対意見の人々が多く、「・・・