July 4th(ジュライ・フォース)

7月4日といえば、アメリカにとって最も重要な祝日のひとつ、独立記念日(Independence Day)」です。この日は、1776年にアメリカがイギリスからの独立を宣言した日として、アメリカ国内では盛大な祝賀行事が行われ、花火やパレード、コンサート、バーベキューなどで国民全体が祝います。ニュースなどでこの日の様子を目にしたことがある方も多いでしょう。アメリカでは一般に独立記念日といわず、日付でジュライ・フォースと言っています。そしてお祝いの言葉は「ハッピーバースデー、アメリカ」です。誕生日祝いなのですね。
日本に住んでいる私たちにとって、7月4日は平凡な夏の一日です。しかし、アメリカ独立の背景やこの記念日に込められた意味を知ると、7月4日は単にアメリカの国の祝日というだけではなく、「民主主義」や「自由」、「権利」といった近代社会の基盤を考えるうえでも、示唆に富んだ一日であることが見えてきます。まず、アメリカ独立戦争は、18世紀のヨーロッパ列強が世界中で植民地を拡大していた時代に起こりました。当時、現在のアメリカ合衆国は、イギリスの13の植民地として統治されていました。しかし、遠く離れたイギリス本国からの度重なる重税や法的制限に対し、「代表なくして課税なし(No taxation without representation)」というスローガンを掲げた植民地の人々が反発を強め、1775年に武力衝突が始まりました。重税は独立のきっかけになるのは歴史的教訓です。重税で繁栄した国家はない、というのも歴史的事実です。
1776年の7月4日、アメリカはフィラデルフィアに集まった大陸会議で「独立宣言(Declaration of Independence)」を採択しました。この宣言文を起草したのが、後に第3代大統領となるトマス・ジェファーソン**です。彼はその中で、「すべての人は平等に創られ、一定の奪うことのできない権利を有する」と明記し、自由、生命、幸福の追求を基本的人権として訴えました。この思想は、イギリスのジョン・ロックなどに代表される啓蒙思想に基づくものであり、アメリカ独立の理念はその後のフランス革命や日本の明治維新、さらには現代の人権思想にも大きな影響を与えました。つまり、7月4日はアメリカだけの記念日ではなく、「近代的価値観が世界に広がる起点のひとつ」としての意味も持っているのです。
現代のアメリカにおいて、7月4日は単なる祝日ではありません。国旗を掲げ、花火を見上げながら、建国の理念を再確認し、市民としての自由と責任について考える日とされています。移民国家であるアメリカでは、多くの人々が異なる背景や文化を持ち寄って一つの国を形成しています。その中で、「自由」や「独立」といった価値を共通の土台とすることは非常に重要であり、その象徴がこの記念日なのです。日本では独立記念日という祝日は存在しません。日本は植民地から独立した歴史を持たないため、アメリカのような独立戦争の記念日が必要とされなかった背景もあります。しかし、太平洋戦争後占領された歴史もあるので、「再独立」したともいえます。
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