日本史と世界史で読み解く 北米建国物語 第12回(6) 明治日本と西部開拓時代のアメリカ

十三夜の月のイラスト

― 鉄道、移民、開拓、そして近代国家の建設 ―

・「黒船」から「太平洋」へ

1853年、ペリーの黒船は日本にとって「外から来た脅威」でした。しかし40年ほど後には、日本も近代的な海軍を整備し、海外へ軍艦を派遣する国になっていました。アメリカも同様です。かつてイギリスの植民地だった国が、わずか一世紀余りで大陸を横断する巨大国家になりました。両国とも、「外から来る国」から「外へ出ていく国」へ変わったのです。この変化こそ、19世紀後半の世界史を理解する重要なポイントです。

・近代国家は「国境の外」へ向かう

19世紀末になると、欧米列強は世界各地へ進出します。植民地。市場。資源。軍事基地。航路。国家の経済成長と海外進出が結びついていきます。アメリカも日本も、この世界的な流れから逃れることはできませんでした。そして20世紀になると、両国の関係はさらに複雑になります。経済的な交流が増える一方、太平洋をめぐる国際競争も激しくなります。

その先に待っているのが、日露戦争、ハワイ併合、フィリピン、中国市場、そして、日米関係の本格的な変化です。

まとめ――「開拓」とは何だったのか

明治日本と西部開拓時代のアメリカを比較すると、近代化の共通点が見えてきます。

鉄道を作る。人口を移動させる。産業を育てる。国土を調査する。学校を作る。軍隊を近代化する。行政制度を全国へ広げる。

これらはすべて、近代国家を作るための重要な要素でした。しかし、その過程で、先住民族。移民。農民。労働者。少数者。など、多くの人々が国家建設の犠牲になることもありました。

だから「開拓」や「近代化」という言葉を使うときには、「誰が、誰の土地を、誰のために開発したのか」という問いを忘れてはいけません。アメリカ西部の歴史も、北海道開拓の歴史も、単なる成功物語ではありません。そこには希望と犠牲、発展と差別、自由と強制という、近代国家が抱えた複雑な矛盾がありました。

そして19世紀末、その二つの近代国家は、太平洋を挟んで再び接近します。

今度は黒船と江戸幕府という関係ではありません。近代化した日本と、世界最大級の工業国へ成長したアメリカ。両国は、いよいよ同じ国際舞台で向き合うことになります。

次回予告

次回は19世紀末から20世紀初頭へ進みます。アメリカは西部開拓を終えると、太平洋へ進出します。ハワイ王国の併合。フィリピンの獲得。中国市場への関心。一方、日本は日清戦争、日露戦争を経て、東アジアの強国へと成長します。また、この時期には日本人のアメリカ移民も増加します。ハワイへ渡った日本人。サンフランシスコや西海岸へ渡った日本人。そこには新しい交流が生まれる一方、排日運動や移民制限という問題も起こります。「黒船を送り込んだアメリカ」と「黒船に驚いた日本」が、今度は同じ太平洋の舞台でどのような関係を築いていくのか。いよいよ日米関係の歴史へ入っていきます。

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