感謝祭
感謝祭Thnaksgiving Dayは米国のものが日本では知られていて、最近では翌日のブラック・フライデー・セールが急に増えてきました。米国感謝祭は11月第4木曜日で、4連休になりクリスマスとこの日に七面鳥を食べる習慣があります。翌日の金曜日は本来だと買い物をしない日で、そのため商店では売れ残りを値引きして売るようになり、バーゲンセールの日として定着、逆にごった返すようになりました。この日にクリスマスプレゼントを安く買っておこう、というわけです。それが日本にも入ってきました。語源は諸説ありますが、発祥地フィラデルフィアでは当初警察が雑踏警備で大変なのでblack Fridayと呼んでいたのを新聞社が「黒字になる日」と解釈した広報を流してから、悪い意味のblackではないということになったとされています。この説、少し怪しいのは、英語では黒字を普通はsurplusないしfavorable, positiveというので black inkということは稀です。かなり強引な解釈だったと思います。
感謝祭は他の国にもあり、カナダの感謝祭は10月第2月曜日で、プリマス植民地での出来事を記念するもので、独立戦争後にアメリカから英領カナダに移住した王党派が持ち込んだ習慣とされています。オーストラリア領のノーフォーク島では11月の最後の水曜日に感謝祭がです。アメリカの捕鯨船によりもたらされ、ノーフォーク島民の先祖であるピトケアン島のバウンティ号の反乱者の子孫や捕鯨船の先祖をもつ家族で祝います。ブラジルではアメリカ人の祖先をもつ家族によって祝われ、アメリカと同日です。西インド諸島のグレナダ島やカリブ海では10月25日に感謝祭の祝日がありますが、アメリカやカナダのどちらとも無関係で、1983年10月25日にアメリカ軍のグレナダ侵攻で共産主義からの解放を記念日しています。リベリアでは11月の最初の木曜日が感謝祭です。アメリカの黒人解放奴隷により建国されたためです。
フィリピンでは20世紀前半はアメリカの植民地だったためアメリカと同じ日に感謝祭を祝ったのですが、1986年にマルコスが追放され一旦は公式な祝日ではなくなったものの、商業的および文化的な休日として復活し特別セールの日になっています。オランダではプリマス植民地に移住した巡礼者の多くがライデン市に居住していて、これを記念して、アメリカ感謝祭の朝に非宗派の感謝祭の礼拝が行われています。どの国も総じていえばアメリカのプロテスタント(ピューリタン)の影響といえます。
米国感謝祭は通説では英国からプリマス植民地に移住したピューリタンが最初の収穫を記念し先住民を招待して神の恵みに感謝した食事会であったとされていますが、神に感謝を捧げる宗教的な意味合いが強く、あくまでも神への感謝が中心でした。
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