サンフランシスコ条約と日本の独立
サンフランシスコ講和条約は1951年9月に第二次世界大戦・太平洋戦争後に関連して連合国諸国と日本との間に締結された平和条約で、通称がサンフランシスコ講和条約です。サンフランシスコ平和条約ともいいます。日本とアメリカとの安全保障条約(安保)も同時に署名されました。発効が1952年4月28日ですから、本来この日が日本の独立記念日です。しかし日本人のほとんどはそう考えていません。それは1945年8月15日の終戦で太平洋戦争が終わったという認識でいるからで、その後のアメリカ軍占領時代は日本には主権がなかったことは無視されています。この条約を批准した連合国は日本国の主権を承認したということなので国際法上はこの条約により日本と多くの連合国との間の戦争状態が終結したことになります。ソビエト連邦は会議に出席したのですが、アメリカ軍の駐留に反対する姿勢から条約に署名せず現在に至っています。インドネシアは条約に署名しましたが議会の批准はしませんでした。中華民国(現在の中国とは別)とインドは出席しませんでした。その後日本はインドネシア・中華民国・インドとの間で講和条約を締結しました。条約の詳細を学校では習いませんが現在につながる重要な案件がたくさんあります。領土の放棄または信託統治への移管として以下が承認されています。
1.台湾(フォルモサ)・澎湖諸島(ペスカドレス)の権利、権限及び請求権の放棄
2.朝鮮の独立を承認。済洲島、巨文島及び欝陵島を含む朝鮮に対する全ての権利、権原及び請求権の放棄
3.千島列島・南樺太(南サハリン)の権利、権限及び請求権の放棄
4.国際連盟からの委任統治領であった南洋諸島の権利、権限及び請求権の放棄
5.南極(大和雪原など)の権利、権限及び請求権の放棄
6.新南群島(スプラトリー諸島)・西沙群島(パラセル諸島)の権利、権原及び請求権の放棄
7.南西諸島(北緯29度以南。琉球諸島・大東諸島など)・南方諸島(孀婦岩より南。小笠原諸島・西之島・火山列島・沖ノ鳥島・南鳥島をアメリカ合衆国の信託統治領とする
意外に戦前の日本の領土が広かったのと、現在の本土以外はほとんど接収されてしまったこと。そして現在問題の竹島と尖閣諸島はここに含まれていません。一方で南西諸島や琉球、小笠原諸島はアメリカから返還されています。返還というのは正確ではなく信託統治領を解除したわけです。現在中国が侵略している新南群島や西沙諸島は以前の日本の支配下にあったものだったのです。一方でソ連はこの条約に署名していないので、現在の日本が主張する北方領土は千島列島に含まれるのかという議論があると同時に南樺太についてもソ連との条約が成立していないので、四島に限るのではなく南樺太や千島列島全域についても議論すべきという意見があります。幕末から明治にかけて日本とロシアの間で何度も樺太と千島列島の交換をしているので、どれが固有の領土といえるのかも議論のまま現状のソ連の実効支配が続いています。
朝鮮の独立については韓国が1945年8月15日、北朝鮮は1948年9月9日となっていて同時ではありません。単純に同時に南北に分かれたわけではありません。
今年で「独立後」70周年なのですが、そういう機運がないのも不思議なことです。
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