電気記念日
3月25日は電気記念日です。電気は人類の発明のうちで最大のものの1つです。現代社会において電気なしの生活はありえません。電気の通っていない所でも発電機を利用したり、バッテリを利用しています。電気をまったく使わない生活というのは不可能に近いです。しかし電気は水や石油などのように自然から採ることはできません。人類最初の発明ともいえる火は自然から採ることができますが、電気は自然発生する雷から採ることが未だにできていません。要するに作り出すしかないので、人類が電気を利用できるようになった歴史は非常に短いのです。灯り一つとっても電灯以前は何かの火を利用するしかありませんでした。火は熱源にもなるので、現在でも利用していますが、近年は熱源でさえ電気を利用することが増え、動力源にも利用されてます。
これほど利用されている電気ですが、その生産方法は非常に限られています。単純化すれば化学的手段と物理的手段しかなく、現在はほとんどが物理的手段です。発電機のほとんどはコイルを巻いたものを磁石の中で回転させます。この回転の方法がいろいろあるわけです。一番単純なのが災害時の非常用懐中電灯のように手で回す方式。これだと電力が低いので、自転車のタイヤにつけて一生懸命漕ぐ方式。もっと効率よく大きな電力を得るためには水車で回る方式で、大きな水力を得るためにダムを作って大量の水で常に発電する水力発電方式。とにかく発電機を回せばいいので、蒸気機関を利用したり、ディーゼルエンジンで回したりする方式もあります。また羽がたくさんついたプロペラのようなものを回せば効率もよいので、タービンを回転させる方式もあります。タービンを回すには水蒸気が便利なので、大量の水蒸気を発生させるため、水と燃料が要ります。そこで燃料に石油を使うのが火力発電です。もっと高温にするには石油を燃やすのではなく核分裂によるエネルギーを利用するのが原子力です。現状、ここまで回転型発電が進歩してきました。近年は自然エネルギー利用ということで風力で回したり、地熱を利用したり、潮の満ち引きを利用するなど多様な回転エネルギーを取り出す方法が開発されています。
もう1つの方式である化学的手法としては乾電池やバッテリのように化学物質を化合する時に発生する電気の利用です。電気は物理的に溜めておけないという制限があるため、電気エネルギーを一旦何かに変換し、それを逆製することで電気を利用しようとして開発されました。この蓄電技術開発は現在進行形で、とくに電気自動車開発の重要ポイントになっています。
化学発電の方法としては光電管の活用という方式もあります。強い光を当てると発電する物質があり、それを平板に塗って発電する方法です。いわゆる太陽光発電です。この方式の弱点は弱い電力しか発電できないため、大量の発電素子が必要になることです。電子回路のような小電力で動く機械には利用できますが、自動車のような大電力を動かすには向いていません。それでも広大な空き地に太陽光パネルを並べて発電する発電所もできてきています。
発電の最大の課題は利用する元のエネルギーと安定性の問題です。「エネルギー不滅の法則」というのがあって、電気エネルギーを得るには何かのエネルギーからの交換が必要なのです。エネルギー元の資源は多様であり、それを得るコストも多様です。回転から得る発電の元エネルギーは地下資源が中心で有限です。太陽光や風などの環境資源はほぼ無限ですから、自然エネルギー発電が盛んになってきましたが、非常に不安定で電力の需要と供給を一致させるのがかなり困難です。そのためには蓄電技術が不可欠です。電気の供給には伝達ロスの問題もあります。とくに発電所から利用者までの距離が長いと大きなロスがでます。地産地消ではないですが、作ったその場で利用する社会構造の変革が必要というという問題にも直面しています。
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