Freelanceの日
フリーランスというのも日本で誤解されている外来語です。12月16日は日本初のフリーランスの支援を行うプラットフォーム、クラウドソーシングサービス「ランサーズ」を運営するランサーズ株式会社の設立を記念して提唱した「フリーランスの日」です。同社はフリーランスの仕事のマッチングだけでなく、フリーランスのスキルアップのためのプログラムの提供などを行い、次世代のワークスタイルであるフリーランスの人に個々の力を高めてもらうことが目的としているそうです。同社によるとフリーランスとは「特定の企業や団体、組織に専従しておらず、自らの技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主もしくは個人企業法人」です。日本では自由業、フリーランスと呼ばれ、請け負った業務を実際に遂行する本人はフリーランサーもしくはフリーエージェントと呼ばれています。仕事を引き受ける都度契約を結ぶという形態をとる請負であり、小説家・芸能人など個人の能力によって成果が決まる職種に多いのですが、大工やプログラマなどの技術者、漁師、農家や医師、弁護士などはこの分類に入る人と組織に所属している人がいます。芸能人やタレントも事務所に所属している人と独立している人がいます。外から見ただけでは区別がわからないのが実情です。明確なのは納税方法の違いだけでしょう。日本では略してフリーと呼ぶこともあります。日本には非正規や派遣という曖昧な形態もあります。
英語のfreelanceの語源は中世の軍事組織に遡ります。中世は王や貴族は主力となる騎士を中心とした封建軍の補強として、戦争の度に傭兵団(フリーカンパニー)と契約して戦争に臨み、この中には正式に叙勲されていない騎士(黒騎士)や傭兵団を離れ戦場に臨む兵士がいました。当時は槍騎兵(lancer)が自分の従卒として歩兵や弓兵を連れている形態が多かったため、契約の際には槍の本数=1戦闘単位としてカウントしていました。まだ敵勢力と契約を交わしていない(free)の戦闘単位(lance)を指す言葉としてfreelanceが用いられるようになったそうです。元々は兵士を指していたfree lancerが、近世以降組織を離れて働く状態を指す言葉に変化しました。
現代では職業軍人と徴兵に分かれていて、特別な状況にならないかぎりフリーランスの軍人を雇うことは稀です。むしろ民間における雇用形態の1つです。アナウンサーのような職業では局アナとフリーは明確ですが、野球選手やサッカー選手は所属団体がありますが、報酬は契約制であり、フリーランス的な要素もあります。仕事の内容が長期に渡る場合の請負は判断が微妙です。自治体や大学などの組織では定年までの長期契約と数年の短期と毎年契約の非常勤があります。そのうち非常勤はフリーランスという扱いです。また議員のように期間の定めが不定期で、契約ではない職業も存在します。僧侶や神官など宗教関係者も所属と契約が曖昧です。労働組合も基本は正規職員ですが、非常勤労働者の組合などもあり、雇用保険加入の定義も曖昧なままです。
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