立春
2月4日は新暦の立春です。立春は二十四節気の1つで、最初の節気つまり1年の始まりということになります。立春は1日のことではなく、今年は2月18日までです。よく誤解がありますが、二十四節気の春は立春に始まり、雨水、啓蟄と続いて、その次に春分(お彼岸)になります。感覚的にはここから春が実感できます。春分の後、清明、穀雨と続いて春が終わります。1年を24に分割したのが二十四節気ですから、1季節に6節気あるのは当たり前のことです。昔の人は季節感をさらに繊細に分けて生活していたのです。現在のように1日単位、1週間単位で生活していると自然の移り変わりなどを感じる精神的な余裕もなくなってしまったかもしれません。
立春の行事としては「立春大吉」というお札をみることがあります。これを立春の最初の日に掲げると魔除けになるとされています。禅寺で多く見かけるので、ぜひお近くの禅寺をご参詣ください。なぜ魔除けになるかというと、このお札は裏から読んでも立春大吉と読める、つまり左右対称の文字連続です。そのため、鬼が門から入って、この札を見て「あれ、この門はまだ入ったことがない!」と勘違いして、出て行ってしまう、という知恵だそうです(知らんけど)。鬼さんは前日に豆撒きで追い払われたあと、やれ入ろうとした家に騙されて、また出ていくという散々な目にあう日なのです。
昔は葉書に「立春大吉」と書いて出す習慣もあったそうです。今は寒中見舞いになってしまいましたが、年賀状を出せなかった方に、新年のお祈りをお送りするのです。立春から新年が始まり、これまでの災厄が前日の節分によって払われ運気が変わるので、良い歳が始まるわけです。その願いを込めて、便りを出すわけです。
和菓子店では朝生菓子を販売する店もあります。立春の朝に作られた生菓子のことで、その日に食べると縁起がいいとされています。立春朝生菓子には、桜餅やうぐいす餅、椿餅、大福などがあります。今年は海苔が不作なので恵方巻などはやめて、こちらにされてはいかがでしょうか。辛党の方には朝絞りという日本酒もあります。また前日撒いた大豆の残りで作る立春大吉豆腐というのもあるそうです。変則的ですが、節分にオニリン(オニオンリング)や鬼饅頭を食べて、鬼を喰ってしまう、という荒業もあるそうです。
お札は禅寺でいただくことができますが、お忙しいかたは下記をご利用ください。
立春大吉
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