大寒


蕗の薹

今年は1月20日から二十四節気の大寒に入ります。二十四節気は旧暦の習慣ではありますが、太陽暦なので新暦と同じ日付になります。旧暦は正確には太陰太陽暦ですから、月の運行だけでなく、太陽の運行も活用しています。現在採用されている新暦は太陽の運行だけを利用し、月の運行は無視するものですから、自然との関係からいくと不自然な面も出てくるという不合理な側面もあります。新暦が合理的、旧暦は不合理と考えていた明治政府の役人は西洋コンプレックスに陥っていて、無批判に西洋のものを採り入れてしまいました。それでも曜日や惑星の名前などは陰陽五行説を採り入れているなど、矛盾していたのですが、今ではそのまま定着してしまいました。

大寒の期間の七十二候は下記のようになっています。

初候:款冬華(ふきのはな さく) 蕗の薹(ふきのとう)が蕾を出す頃とされています。フキノトウは何となく春が来るようなイメージになっていますが、本当は雪の中に咲いているので真冬なのです。

次候:水沢腹堅(さわみず こおりつめる) 沢に氷が厚く張りつめる頃です。近年は氷の張った滝はライトアップされて美しい景色になっています。

末候:鶏始乳(にわとり はじめて とやにつく) 鶏が卵を産み始める頃とされています。鶏が卵を産み始める時期とされるので、この時期の卵は大寒卵といい産卵個数が少ないため栄養価も高く、また卵は金運にもつながるので、卵を食べるといいそうです。もっとも今は鶏も鶏舎のケージで飼われていて、年中産むようになっているので、栄養価もあまり変わらないでしょう。栄養価はむしろ飼料によるので、輸入価格が高くなった現在はむしろ低くなっているかもしれません。それに冬は鳥インフルエンザが流行って処分される鶏もいて、価格が上がるようになってきました。

昔の日本では甘酒は自宅で作ることが多く、甘酒を作る際には寒の水が使われていました。寒の水は品質が高いことから、大寒の時期に仕込んだ甘酒は美味しく新鮮だといわれています。同じく味噌も手前味噌で自宅で作っていたので、寒の水を使いました。酒も寒仕込みが行われることが多いです。寒い時期には柑橘類も成るので、庭の金柑(きんかん)も熟してきます。寒い時期なので栄養をつけて乗り切りましょう。

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