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祈りと季節のかたち
私たちが日々目にする新暦のカレンダーでは見過ごされがちな、旧暦に沿った季節の移ろいがあります。旧暦6月17日は、華やかな祭礼があるわけではありませんが、各地に静かに根づいた風習や神事が残されています。この日には、疫病除けや五穀豊穣への祈り、芸能奉納、自然との共生を象徴するような、しなやかで奥深い日本の精神文化が息づいています。 奈良・率川神社の「三枝祭」──ゆりと祈りの神事 奈良の古社・率川(いさ・・・
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嘉祥の日─旧暦6月16日に込められた「厄除と招福」の和のこころ
私たちが日々見ている暦の裏側には、現代ではあまり知られていない古い行事や風習が数多く刻まれています。そのひとつが、旧暦6月16日に行われていた「嘉祥(かじょう)の儀」です。これは、宮中や武家、庶民にまで広がった厄除と招福の祈りを込めた風習であり、今日でも和菓子文化や年中行事にその面影を残しています。 嘉祥の儀の起源は、平安時代の承和15年(848)6月16日にまでさかのぼります。この年、疫病が都に・・・
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社会と技術と思想の交差
7月10日は国際社会や科学技術の発展を語るうえで見逃せない数々の出来事が重なっています。平和と戦争、希望と警鐘。人類の営みが、大空や宇宙を舞台に繰り広げられた記憶が、確かにこの日に刻まれているのです。 まず1940年7月10日に始まった「バトル・オブ・ブリテン(イギリス本土航空戦)」です。これは第二次世界大戦において、ナチス・ドイツの空軍(ルフトバッフェ)がイギリス本土への本格的な空襲を開始した日・・・
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米国の平等主義の原点
アメリカの「平等」の礎を築いた日である1868年7月9日に、アメリカ憲法修正第14条が批准されました。この日は、アメリカ合衆国の歴史において極めて重要な意味をもつ一日です。この日、アメリカ憲法修正第14条が批准され、「すべての人間が法の下に平等である」という理念が、初めて明確に憲法に刻まれました。この改正条項は、南北戦争後の再建期における政治的・社会的改革の中心的な柱であり、今日に至るまでアメリカ・・・
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夏の入り口
7月も二週目に入り、夏の気配が日増しに強まってまいりました。昨日から小暑(しょうしょ)に入り、「暑さが少しずつ始まってくる」時期で、自然界でも、季節の移ろいがはっきりと見えてくるのがこの頃です。文化的にも、この日をはさむ頃には多くの地域で夏祭りや伝統行事が始まります。京都の祇園祭では、鉾町の準備が本格化し、町には笛や太鼓の音が響き始めます。祇園祭は7月1日の吉符入りからスタートしますが、7月8日は・・・
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七夕と小暑
7月7日といえば七夕です。織姫と彦星が年に一度、天の川を渡って出会うというロマンチックな物語とともに、短冊に願いごとを書いて笹に飾る風習が広く親しまれています。しかし、漢字では「七夕」と書くのに、なぜ「しちせき」ではなく「たなばた」と読むのでしょうか。 この不思議な読み方の背景には、日本と中国の文化が交差し融合した歴史があります。「七夕」はもともと中国から伝わった行事で、牽牛(けんぎゅう)と織女(・・・
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光を見つめる日
7月6日は梅雨の終わりを感じ始める頃であり、蝉の声や日差しの強さに、夏がもう間近であることを教えられる季節です。カレンダー上では何の特別な祝日でもない一日ですが、視点を変えて世界の歴史や日本の旧暦のリズムに目を向けると、この日がさまざまな意味を内包していることに気づかされます。旧暦6月12日にあたるこの日には、自然と暮らしの知恵、そして人類の進歩が静かに交差しています。 7月6日は「情報社会の危機・・・
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何でもない日の意味
カレンダーを何気なくめくると現れる「7月5日」という日付。多くの人にとっては、ごく普通の一日かもしれません。大きな祝日でもなく、特別な行事が全国的にあるわけでもないこの日。しかし、視点を少し変えて、旧暦に照らしてみると、この日は旧暦6月11日にあたることが多く、日本の四季や生活のリズム、さらには世界の歴史にも静かに重なっていく、深い意味を持つ一日となっていることが見えてきます。 まず、現代の7月5・・・
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July 4th(ジュライ・フォース)
7月4日といえば、アメリカにとって最も重要な祝日のひとつ、独立記念日(Independence Day)」です。この日は、1776年にアメリカがイギリスからの独立を宣言した日として、アメリカ国内では盛大な祝賀行事が行われ、花火やパレード、コンサート、バーベキューなどで国民全体が祝います。ニュースなどでこの日の様子を目にしたことがある方も多いでしょう。アメリカでは一般に独立記念日といわず、日付でジュ・・・
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梅雨の終わり
例年だと日本の季節のうえで7月3日は、梅雨の終盤にあたります。今年は西日本が早く梅雨明けしました。地域によってはこの頃に梅雨明けが宣言されることもありますが、多くの地域ではまだ湿気の強い日が続いています。空は曇天に覆われ、突然の雷雨や蒸し暑さに悩まされる時期です。しかし、この「不快」とされがちな時季は、自然界にとってはとても大切な時間でもあります。土にたっぷりと水分を与え、植物が根を張り、稲がすく・・・
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半夏生(はんげしょう)
現在の暦でおおむね7月2日前後にあたるのが「半夏生(はんげしょう)」という雑節であり、田植えの終わりを意味する重要な暦日とされています。「半夏生」とは、太陽の黄経が100度に達した日を指し、例年6月下旬から7月2日頃にあたります。古くは農作業の目安として非常に重視されており、「半夏生までに田植えを終えなければ実りが悪くなる」と言われてきました。実際、湿気と高温が重なるこの時期を過ぎると、稲の根付き・・・
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1年の折り返しと夏の入り口
一年のちょうど半ばに位置する7月1日は、暦のうえでも生活のうえでも、さまざまな意味を持つ日です。新しい月の始まりであると同時に、一年の後半戦のスタートでもあり、季節の移り変わりや心の区切りとして、私たちの暮らしに静かな余韻をもたらしてくれます。旧暦では、7月は「文月(ふみづき)」と呼ばれました。この呼び名には諸説ありますが、「文(ふみ)を書く月」、すなわち手紙のやりとりが盛んになる月という説が有力・・・
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夏越の大祓
日本には、古来より人々の心と身体を清める「祓(はらえ)」という信仰があります。その中でも、毎年6月と12月の末日に行われる「大祓(おおはらえ)」は、個人の罪や穢れだけでなく、社会全体の災厄を祓い清める大規模な神事として、古代から現代に至るまで大切に受け継がれてきました。とくに6月30日に行われるものは「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」とも呼ばれ、夏の厳しい気候を迎えるにあたり、心身を新たに整える・・・
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聖パウロ、聖ペテロ
日本ではあまり馴染みがないのですが、毎年6月29日は、キリスト教の伝統において重要な意味を持つ日です。この日は、教会の二大使徒である聖ペテロと聖パウロを記念する祭日とされています。カトリック教会では「聖ペトロ聖パウロ使徒祭」と呼ばれ、正教会においても同様に、両者の功績と殉教を讃える日となっています。キリスト教系の学校に通った人は聖書の時間に習ったと思いますが、聖ペテロは、イエス・キリストの最初の弟・・・
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サラエボ事件
1914年6月29日、ヨーロッパ中が不穏な空気に包まれていました。前日、すなわち6月28日にオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子フランツ・フェルディナント大公とその妻ゾフィーが、ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボで暗殺されるという衝撃的な事件が起きたからです。そして、その翌日である6月29日、事件の第一報が各国の報道機関に伝わり、外交界は一斉にその対応に追われることになります。この「サラエボ事・・・
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演説
明日6月28日は「演説の日」とされています。この記念日は、明治7年(1874)6月28日に東京の築地において、日本で最初の政論演説会が開催されたことに由来しています。明治初期の自由民権運動の高まりの中で、政治参加や言論の自由を求めて行われたこの集会は、日本における近代的な「演説」という概念の出発点とも言える出来事でした。この時、演説を行ったのは自由民権運動を推進した立志社の指導者たちで、会場には数・・・
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国連憲章
私たちが今日、当たり前のように使っている「国際連合(国連)」という枠組みは、実はたった数十年前に誕生した新しい秩序の一部にすぎません。その礎となるのが、国連憲章(United Nations Charter)です。そしてこの歴史的文書が署名されたのが、1945年6月26日、アメリカ・サンフランシスコでのことでした。この日付は、単なる国際文書の調印日ではなく、人類が二度と戦争の惨禍を繰り返さないとい・・・
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旧暦5月30日
「旧暦には5月30日がない」という不思議なことがあります。太陰太陽暦の仕組みと日付の消失について、学んでみましょう。私たちが普段使っているカレンダー、すなわちグレゴリオ暦(新暦)では、1年は365日(うるう年は366日)で構成され、1か月は30日または31日(2月は28日または29日)と決まっています。しかし、日本で明治5年まで使われていた旧暦では、この日数の構成が大きく異なります。その結果、旧暦・・・
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明治の吉原炎上
NHKの「べらぼう」のおかげで、これまで日陰の存在だった吉原が急に観光の目玉になるほど、表舞台に出てきました。その吉原は何度も火事になっていますが、明治にも炎上しました。明治時代、日本は急速に近代化の道を歩み始めました。西洋の文化や技術を積極的に取り入れる「文明開化」が進み、都市は鉄道や洋風建築で装いを変えつつありました。その一方で、江戸時代から続く伝統的な町並みや制度は、新しい時代の波に押されて・・・
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チューリング
現代の私たちが当たり前のように使っているコンピュータですが、その理論的な基礎を築いた人物こそ、イギリスの数学者・アラン・チューリングです。彼の名は「チューリングマシン」や「チューリングテスト」として今日でも語り継がれていますが、その業績は単なる数学的発見にとどまりません。彼の生涯は、科学の進歩と社会の偏見のはざまで揺れた、深く示唆に富む物語でもあります。アラン・チューリングは1912年、ロンドンに・・・
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