Cotton Fields


綿花

5月10日はコットンの日だそうです。語呂合わせです。日本紡績協会が1995年(平成7年)に制定したそうで、木綿(コットン)が夏物素材として使用され、5月に店頭販売の最盛期を迎えることから、きたそうです。木綿は古くからあるのに、わざわざコットンと英語にしたあたり、商魂が透けてみえます。

木綿と書いてキワタとユウという読み方があり、木綿子という女性名はユウコと読むのが普通です。ユウは楮(こうぞ)のことで、それを原料とした布のことをいいます。楮の木の皮を剥いで蒸した後に、水にさらして白色にした繊維で貴重品でした。神事などでは麻を原料とした木綿(ゆう)が用いられるそうですが、これを真麻木綿(まそゆう)というそうです。綿というのは本来、繊維の塊の意味です。

綿花の栽培は紀元前4千年のインダス文明から始まったそうで、すでに機織りの技術まであったそうです。それがインドに伝わり、ヨーロッパには中世に伝わりました。当時のヨーロッパは羊毛によるウールが中心でしたから、インドには枝先に子羊がいるバロメッツという木があると信じられていたという笑い話があります。

綿布の普及がイギリスの産業革命の原動力であったことは歴史で習います。イギリスはそれまでインド綿布の輸入国であったのを、植民地インドには原料の綿の栽培だけに制限し、綿布はイギリスが売るという加工貿易で当時最大の綿布輸出国になりました。この構図、今もどこかにあります。

インドから綿を輸入するには距離もリスクもあるので、イギリスはアメリカに目をつけ、アメリカ大陸で綿花を栽培し、奴隷労働によって安く輸入するようになりました。これがアメリカ南北戦争の原因です。この当時のカントリーソングはたくさんありますが、代表的なのがCotton Fieldsです。いろいろな人がカバーしていますが、私的にはHighway Menのものが好きです。https://www.youtube.com/watch?v=7suWiC5I3uk

オリジナルは1940年のLead Belly(Huddie Ledbetter)のブルースです。日本ではBeach BoysかCCR以後にポピュラーになったかもしれません。ちなみにcotton bollsとは綿花の丸莢(まるさや)のことで、よくballsと間違えられます。歌詞は歌手ごとに違いがありますので、ご興味があれば検索してください。該当箇所だけを引用します。

Oh, when them cotton bolls get rotten

You can't pick very much cotton

In them old cotton fields back home

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cotton,rottonと韻を踏んでいるのが聞いていて心地よい気がします。英語版の語呂あわせです。

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