アメリカのハイスクール



アメリカのハイスクールの様子を描いた映画をご覧になったこともあると思います。日本の高校とかなり違う雰囲気を感じられたと思います。根本的な違いはアメリカが自由服であるのに対し、日本では制服がほとんどです。そしてハイスクールの方がなんとなく大人っぽい雰囲気です。体格のせいもあるかもしれませんが、髪型や化粧などアメリカの子供は早くから大人っぽい感じになります。両者の違いは文化の違いが反映していますが、行動の違いの背景に受験制度があります。日本では高校生は大学受験をする生徒が多く、最近は酪農や農業、料理などの世界に就職する生徒も増えてきましたが、そういう生徒は専門高校に進学しますから、普通高校は受験が前提です。日本では、最近はだいぶ楽になってきたとはいえ、入試がかなり難しく、そのために勉強がかなり大変で、塾や予備校に行くダブルスクールの高校生も少なくないです。むろん部活もあり、勉強の合間に一生懸命やっている姿が見られます。部活にも野球やサッカーなどのスポーツだけでなく、書道や吹奏楽や合唱なども盛んです。全国高校大会いわゆるインターハイも盛んです。一方、アメリカのハイスクールでは、受験勉強がないので、塾通いなどはありません。むろん勉強もあるのですが、それほど一生懸命ということはなく、部活はそれなりにしますが、多くは青春を謳歌する時期で、関心の多くは恋愛にあるように見えます。現実は多少違うと思いますが、映画に描かれるのはラブストリーが圧倒的です。日本の場合、あまり勉強しないで、青春を謳歌しているのは大学生です。アメリカの大学生はむしろ勉強熱心です。国民の多くは高校を卒業して就職する人も多く、日本にはない制度として、徴兵制度があるため、軍人になる人も多くいます。日本の高校生や大学生は戦争への関心は薄いのですが、アメリカの大学生は戦争を自分のことをとらえるので、関心はかなり高いのです。アメリカの徴兵は基本的に20歳で、アメリカ国民の義務として、徴兵と納税がありますから、徴兵を忌避することは非国民とまではいわれないまでも、愛国心が薄いと評価されることが多く、とくに政治家にとって重要な義務です。徴兵制度のせいかどうかはわかりませんが、アメリカの高校生は卒業により将来の人生設計が必要となりますから、その前にしっかり遊んでおこう、ということかもしれません。日本の大学生が徴兵を除けば、似たような環境にあります。つまり社会に出る年齢がアメリカは18歳、日本は22歳ということになり、社会経済的に見ると、日本の若者は生産に携わるのが遅く、労働力として無駄な期間ということがいえるかもしれません。若者の失業率が世界経済では重要な問題になりますが、日本は18-20歳の若者の多くが大学に行くので、その分、失業率が低くなります。そしてその間の費用は親が支払うのが普通になっているのです。ということは、本来、国が若年層失業対策として、かなりの予算をつぎ込んでいるのに対し、日本政府は国民に任せて、ずいぶん楽をしている、ともいえます。

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