はさみ



8月3日は語呂合わせで「ハサミの日」だそうです。ハサミは普段の生活の中で当たり前のように存在しており、100円ショップでも買える身近な商品です。しかしそれだけにないと非常に困ります。ハサミの蘊蓄をwikipediaに尋ねてみると、ハサミは「切るための道具」の他に、トングのように挟んで「掴むための道具」、そしてカニのハサミのように節足動物の肢の先にあるもの、の3種に分類できるそうです。そして和鋏(はさみ)のようにU字型のハサミをギリシア型、今普通にある中心をネジで止めるX字型のハサミをローマ型に分類できるそうです。共通点は「てこの原理」を利用している点です。

ハサミの歴史は金属の発明と関係があり、青銅器時代に発明されたそうです。ハサミの前に刃物の発明があったことは当然ですが、それを組み合わせてハサミにしたというのは画期的な発明です。刃物の発明は石器が最初だったのですが、それを組み合わせる智慧は人類だけのものでしょう。古代ギリシアでハサミが発明されたのは羊の毛を刈るためだったそうです。力が入るのはローマ型ですから、西洋では早くからX字型に変わったようですが、日本では和鋏として、江戸時代も使っていました。それで明治以降に増えたローマ型を洋鋏と呼んでいます。ただローマ型がまったくなかったわけではなく、「やっとこ」という挟む道具はありました。箸で掴む場合もありますが、鍛冶屋や鋳掛屋(いかけや)のような高熱の金属を扱うには箸では無理でした。切断する方は刃が鋭いならばU字型でも間に合います。西洋では金属切断にX字型が便利だったことから普及したようですが、金属切断は刃物と金槌でもできるので、日本文化においてはX字型ハサミの必要性はそれほど高くなかったのかもしれません。そういえば日本のハサミはよく切れるのですが、西洋のハサミはあまり切れ味がよくありません。それで世界の美容師や理容師のようなプロは日本製を使うのだそうです。

ハサミはその後、用途別に進化を続け、今では事務用、工作・加工用、料理用、理美容用、手芸用、園芸用、医療用、理科実験用、式典用、などに分類されているそうです。式典用というのはテープカットの儀式などに使われるあのハサミです。どうやら普通のハサミではなく、特注品のようです。そして相撲の断髪式のハサミも特注品だそうです。医療用のハサミはクーパーという、先が反っていて切りやすくなっているタイプが多いようです。鼻毛切りや爪切りの刃が反っているのと同じ原理です。医療用の特殊なハサミを剪刃(せんとう)というそうで、いろいろな用途別の種類がありますが、反って曲がっているタイプをクーパーというのだそうです。事務用として刃が複数ついているのが一時期ありましたが、シュレッダーが普及して姿を消しました。園芸用や金属加工用はホームセンターに行くと多くの種類が目的別に陳列されています。園芸用ハサミには生花用、植木鋏、刈込鋏、葉刈鋏、盆栽鋏、摘果鋏、採果鋏、芽切鋏、摘花鋏、野菜鋏、収穫鋏、高枝切鋏、太枝切鋏、芝刈鋏などですが、どれかはお持ちではないでしょうか。

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